学校はプレハブ校舎、塾は定員オーバーに!?週末は引っ越しでエレベーターが占拠…人気の「大規模マンション」住まいも苦労がいっぱい
地域でも話題になった高層の大規模新築分譲マンション、完成前に完売御礼が続いて数百世帯が一斉入居!…こんな人気のマンションを購入できたご家族にも、最初は気がつかなかった「大規模分譲マンションだからこそ起こるデメリット」があったそうです。
Aさん(関東在住、40代、主婦)一家は10年前、抽選を勝ち取って希望通りの南向き中層階角部屋を購入しました。当時まだ乳児だった長女も小学生になり、住み慣れてきた街とマンション。しかし、そこで暮らす問題点を感じ始めたのは、ここ最近のことでした。
■塾がいっぱいで入塾できない?
Aさん夫妻は一人娘に中学受験を検討しており、小学校3年生頃から中学受験のための塾選びを始めたそうです。しかし手始めに幼稚園時代の先輩ママ友に話を聞いたところ、驚きの返事が返ってきました。
「え、もう3年でしょ?この近くの自転車で行ける大手のX塾、あそこは2年生には入塾してないと枠が確保できないって聞いたけど。入塾テストでよほど好成績を取るなら話は別みたいだけど…でも入塾テスト対策とかしてる?」
なんと大規模マンションが建ったことで、地域で通塾する子どもがあふれ、定員締切になる塾が増えてしまったとのこと…。もちろん最近の中学受験志向の高まりもあるのでしょうが衝撃です。
そういえば小学校もクラス数が増えてしまい、臨時のプレハブ校舎が建設されていたのでした。塾はお金を払うんだから簡単に入れてもらえると思っていたAさん。仕方なく、定員の空きがあった隣駅のY塾まで通わせなければならなくなったのが最初に後悔したポイントでした。
■子どもまで「低層住みだからグループ入れない」
Aさんが「大規模マンションに住んだせいでこんなことに……」という気持ちになったのも、同じ子どもがらみのトラブルでした。
タワーマンションというほどではないもののAさんの住む大規模マンションは18階建て。近隣では高層階のあるマンションで、特に17階と18階はペントハウス的な高級感がある造りになっています。販売価格も他のフロアよりも2割以上高い仕様になっていたそうです。
その高層フロアに住む子どもの一部が、低層階に住む子どもに「ねえねえ、Bちゃんのうちって安いんでしょ?なんで上の階にしなかったの?こっちの方が景色いいし、天井も高いんだって。どれだけ狭いのか見せてくれる?」などと言い出したうえ、なんと住んでいるフロアでグループを組み始めた女子がいるという話を聞いてビックリ。
幸い中層階住まいだったAさんの子どもが巻き込まれることはなかったそうです。しかし、同じマンションで同時期に購入した人ばかりだと、こういう優越感が子どもにまで影響するのか……とげんなりしてしまいました。
■週末は毎週のように引っ越し…エレベーターが占拠されちゃう
先ほどの2つのデメリットだけでもなかなかのダメージですが、ほかにもAさん家族全員が地味に「嫌だなあ…」とここ最近感じていることがあるそうです。
同時期に入居した大規模マンションならではのことですが、10年が経過したころから少しずつマンションの売却が増え、新しい住人へ入居者が入れ替わりはじめました。
地元では人気のマンションということもあり、それなりの売却価格で買い手はすぐに見つかるようです。そのこと自体は住んでいて安心材料ではあるものの、数百世帯が入居しているため、シーズン中は毎週末のように引っ越し業者を見ることになります。
世帯数の割にエレベーターの数が少なく、週末は引っ越しのためにエレベーターがずっと使用されてしまうため、わざわざ遠回りして反対側のエレベーターまで行ったり、長い時間待ったりすることが増えてしまいました。
「戸数が少ないマンションだったらこんなイライラ感じなくて済んだかも……」
入居前や直後にはなかなか気がつかないデメリット、他にもありそうです。
(まいどなニュース特約・中瀬 えみ)