「食べるのが怖い…」13歳で摂食障害、一時は体重31キロに 食べる様子を毎日SNSで発信 勇気をくれた彼氏の言葉

「どうも彼女はまなちゃん 157cm36kg 心の病気で食べるのが苦手です」。13歳で摂食障害と診断された女性が、TikTokやインスタグラムで、ご飯を食べる様子や、食べたものを発信している。複雑な家庭環境で育ち、芸能界に入ったことをきっかけに、一時は40キロあった体重が31.5キロに激減。食べ物を体に入れることが怖くなった。しかし、今の彼氏に出会って救われた。「まなちゃんは悪くないよ。病気のおばけがいて、おばけがまなちゃんにそうしろって言って、コントロールしきれなくなっちゃう症状なんだよね」。この言葉から、二人三脚での克服が始まった。

■医師「心臓止まっちゃうよ」

現在23歳で、東京都で美容看護師をしているまなさん。子どもの頃に父親が家を出て、母親と弟の3人暮らしに。母親から暴言を浴びせられてきたという。

そんな母が唯一褒めてくれたのが、顔だった。周りの勧めもあり、13歳で芸能事務所へ。「痩せて早く認めてもらいたい」とダイエットを始め、1カ月で10kgも痩せた。弁当は手を付けず、家に帰っても「外で食べてきた」とごまかす日々。目の奥が痛い。意識が朦朧として、何度も倒れた。いつしか食べ物を体に入れる行為が怖くなっていた。母親に病院に連れて行かれ、診断されたのは摂食障害。「先生に心臓止まっちゃうよと言われましたが、よく分からなくって。病気のことを母に叱られるのもつらくて…」と振り返る。

周りの人の食事量に敏感になり、弟と毎日同じ量を食べる訓練をすることで一時は改善した。だが、大学で一人暮らしを始めて再発。忙しさとストレスで食べられなくなった。さらに便秘でお通じが出ないことが不安になり、下剤を繰り返し飲んだ。

■カウンセラーへの道

彼氏とは昨年にアプリで出会った。今年春に同棲を始め、嘘をつきたくないとの思いから、摂食障害を打ち明けた。意外にも、彼氏が言ったのは「安心した」。当時、まなさんは、人に見てもらえないと食べるのが難しかった。「飲み会に行かないで」「これ食べて」などと妙な束縛をすることに、違和感があったという。「病気なら仕方ないじゃん、と言ってくれました。あんな言葉を掛けてくれたのは人生で初めてで…。それから、ぐんと前に進みました」

SNSは彼氏の提案で始めた。当初は1日1食程度だったが、動画や写真で彼氏に食べるのを撮って見てもらうことで、少しずつ食べられるようになった。体重も37キロまで増えた。投稿には多くの励ましの声が届き、自身も「変わりたい」と思えるようになった。同じ病気に悩む人の相談も受け、自分の体験が人の役に立つこともうれしい。

現在、まなさんはカウンセラーを目指している。「この10年、青春など失ったものもありますし、だからこそ、苦しい気持ちが分かりますし、私のようになってほしくないと思っています。摂食障害は中学・高校の年代でなってしまうことが多いので、早くそういう子たちの力になりたいです」

(まいどなニュース・山脇 未菜美)

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