民家の柿の実めぐり…人間vsサル、終わらぬいたちごっこ→「お客に取ってもらえばいいじゃない!」京都のキャンプ場の挑戦

 京都府福知山市三和町上川合の旧川合小のグラウンドを活用したキャンプ場が今秋、放置果樹対策として利用客に柿のもぎ取り体験を提供した。家族連れの人気を呼ぶ一方、住民を悩ます野生鳥獣による農作物被害の軽減につながると地元住民の期待も集めている。

 キャンプ場周辺では、空き家も含め庭先に柿の木を植えている民家が多く、実が熟す9月ごろになるとサルが頻繁にやってくる。住民が鍋をたたいたり花火を上げたりして追い払うが、しばらくすると戻ってくるいたちごっこが続いており、寄りつかせない対策が求められていた。

 キャンプ場の運営会社「かわい」が、休耕地を使ってトマトやサツマイモの収穫体験を始めたところ利用客に好評だったことから、放置柿のもぎ取り体験を思いついた。

 昨秋から近くの民家4軒と契約を結び、土日の利用客にもぎ取り体験を提供してきた。体験料500円のうち手数料を除く一部を、柿の木周辺の草刈りを条件として所有者に還元している。

 京阪神から訪れる家族連れに人気があり、今秋は約20組が挑んだ。子どもたちは親が高枝ばさみで切った枝からもぎ取ったり、虫取り用の網を構えて切り落とした柿をキャッチしたりして収穫を楽しんだ。もぎたてをその場で頰張り、秋の味覚も満喫できる。

 18日で終了したが、柿をもぎ取る様子が交流サイト(SNS)や動画投稿サイトに発信され、キャンプ愛好家に話題となった。

 土佐祐司社長は「田舎の日常が都市部の人から見たら特別な体験。今後も放置果樹を資産に変えていきたい」と意気込んでいる。

(まいどなニュース/京都新聞)

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