母猫が「優しい顔になったね」 庭に現れた親子猫を保護→家猫になるまでの動画が泣ける!

「つきみちゃんがこんなに優しい顔してくれて、嬉しいなって思います」

家の庭に姿を現した母猫を保護し、家猫になるまでの3週間を撮影した動画がInstagramで話題になりました。

投稿したのは、保護主のニャンディモリさん(@nyandymori3)。母猫は、つきみちゃんといいます。名前は保護する前から、いつのまにか「つきみ」ちゃんと呼んでいたとか。先に子猫3匹を保護したものの、なかなか姿を現さなかったというつきみちゃん。それから2、3週間ほど経って裏庭に出現、やがて表庭にやって来るようになりました。

「最初庭に姿を現したのはつきみちゃんが産んだ子どもたちでした。玄関を開けると1匹の子猫が走り寄ってきたんです。当時母猫がいるんじゃないかと思って周りを探したのですが、見つかりませんでした。捨てられたのか、それとも母猫とはぐれてしまったのか…これから冬を迎え寒くなってくるので、子猫たちを外にそのまま放っておくことができず保護を決意しました。

それから数週間経って、うちの家の中から子猫の鳴き声が聞こえたのか、つきみちゃんが庭に現れたんです。とはいえ、我が家には手のかかる小さな子ども2人と先住猫2匹、そして保護して里親募集中の子猫3匹。母猫まで保護できるかどうか…今精一杯でもう1匹受け入れるのは無理ではないかと悩みました」

■子猫3匹を保護後、2匹を譲渡施設で里親募集へ 母猫も保護

そこで、母猫のつきみちゃんについてはTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと)をして、避妊手術後にリリースしようと当初は考えていたというニャンディモリさんでしたが…そこに”救い主”が現れました。いつもお世話になっている「訪問アニマルクリニック浜口」の獣医師・浜口純院長とスタッフさんたち。浜口院長の診療所に併設している譲渡施設「保護猫譲渡るーむ」で子猫たちを受け入れ、里親募集をかけてくれるという話が舞い込んできたといいます。

「保護猫譲渡るーむに子猫3匹のうち2匹を受け入れていただけたおかげで、母猫のつきみちゃんを保護できる余裕ができたんです。今回保護するだけでなく、うちの子として迎えよう!と決心しました」

そして、ニャンディモリさんは子猫2匹を譲渡施設に送り届けた翌日つきみちゃんの保護に乗り出しました。ただ最初の1週間、つきみちゃんに近付くことさえできませんでした。姿を現しても、ニャンディモリさんが外に出ると走って逃げてしまい、家の中から見ることしかできなかったとのこと。しばらく人間を怖がっていたというつきみちゃん…。徐々に距離を縮めながらようやくニャンディモリさんの姿を見ても逃げなくなり目の前でご飯を出すようにしたところ、シャーと怖い顔で威嚇しながらもそのうち「襲ってこない?」と気付き始めたのか、近付いてご飯を口にするように。

そこで、なるべく怖がらせたくないと思ったニャンディモリさん。キャリーケースの中でご飯を食べるのに慣れてもらい、やがてスッと入った隙にキャリーケースのドアを閉めてつきみちゃんを保護しました。少しだけ暴れたものの鳴きわめくこともなく、そのまま事前連絡していた近所の動物病院へ連れて行ったそうです。

■母猫、保護から1週間シャーしていたが…今では抱っこにスリスリの甘えん坊!

「病院で年齢はわからないと言われました。ただ家に入れてみて、接してみるとまだまだ遊び好きな様子が見えるので、若いのでは?と思っています。栄養失調で貧血気味と言われました。そのほかは特に問題はありませんでした。お迎えして1週間は近づくだけでシャーシャー言われて。8日目くらいから朝のシャーがなくなって、少しずつ触らせてくれるようになったように思います。成猫なのでゆっくりと、とりあえず人間は怖くないなって思ってもらうことを優先に接してきました。

保護してから1カ月近く経った今、私だけでなく子供たちにもすんなり抱っこされるくらいに。手を出すと自分からスリスリと来てくれます。このまま甘えん坊になってくれても良いなって思ってます。ただ、夫のことはいまだに苦手なようで…朝一は必ずシャーです。つきみちゃんを保護すると決めたのも、外にいる時からいちばん一生懸命つきみちゃんに働きかけていたのは夫だったのですが(笑)」

少しずつニャンディモリさんたちに心を許し始めたというつきみちゃん。外にいた頃のイカつい感じもなくなり、今では猫じゃらしやブラッシングも大好きな猫に…。

「つきみちゃんは女の子だからなのか空気感をつかむのがうまく、外にいる頃から先住猫の2匹とは窓越しに仲良くしていました。なので、このまま我が家で飼うつもりです。また保護猫譲渡るーむに受け入れてもらった子猫2匹は里親さんが決まり、子猫1匹だけ我が家にお迎えすることにしました。

私は保護ボランティアではないのですが、目の前にいる命に助けが必要ならば助けたい。今回つきみちゃんを保護したのは、同じ母親として放って置くことができなかっただけです。過酷な環境下で、私たちにバトンタッチできるくらい子猫たちをしっかり育ててきた猫ですから、次はつきみちゃんに幸せになってほしいと思います。でも、つきみちゃんを保護できたのは、つきみちゃんの子どもたちの保護や里親探しのお手伝いをしてくれた先生とスタッフさん、そして子どもたちを迎えてくれた里親さん、この方たちがいたからできたこと。人間にも猫にも助けられ、今があると思います」

  ◇  ◇

■「こんなに顔つきや目つきが優しくなるんですね」「私も感動です!」

投稿には2.3万件のいいねがついたほか、こんなコメントが寄せられました。

「感動しました 保護して下さり、ありがとうございます」

「通りすがりですが、私も感動してコメントせずにはいられませんでした。こんなに顔つきや目つきが優しくなるんですね」

「私も捕獲前提で筋金入りに餌やり中。心折れそうな時に励みになりました。幸せそうな猫さんよかったね~」

「勇気出して恐恐近付いてきたけど、良い人に巡り会えたね。やっと幸せになれるずっとのお家見つかったね。」

「温かい気持ちの方で私も感動です!」

「ずーっと甘えたかったんですね。よかった…愛いっぱいの中でこれから過ごせますね」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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