「秋刀魚のネイル（違う意味で３枚おろし）」というひと言とともに新鮮なサンマそのもののように見事に描かれた「サンマネイル」が「Ｘ」で注目を集めました。「頭部」「胴部」「尾部」をそれぞれ３枚の爪に描き、一つに繋げるとサンマが浮き上がってくる、という構成も洒落ています！

　投稿したのは、東京在住のネイルアーティスト「ＭＡＲＩＮＡ金麦ちゃん」（@marilyn_0204_）さんです。光り輝く体色、新鮮そのものの黄色いくちばし、そして澄んだ黒い瞳など、いまにも泳ぎ出しそうな見事な出来ばえです。

「ネイルを知り尽くした人じゃないとこういう指組みが思いつかないだろうな………」

「芸術すぎる！！！」

「すご！指の位置で海の深さまで表現できるの神がかってる 浅瀬のキラキラ輝くような光と流れの表現も良いし深い方の冷たささえ感じる色味とラメもかっこいい 爪のことなんて何もしらんけどこれは感動した」

　サンマはもちろん、想像力あふれる「海」の表現に賛辞をおくる人も現れたこのネイルについて、ＭＡＲＩＮＡさんにお聞きしました。

■「デザインは即興で考えます」

－－なぜサンマモチーフのネイルを？

お客様からのオーダーが「秋刀魚をネイルにしたい」というものでした。基本的にご来店いただいてからご希望を伺う（事前オーダーをいただくケースは少ない）ので、デザインはその場で即興で考えます。

－－即興とは驚きました。３枚の爪を使って１匹のサンマを表現しているのが素晴らしいです。

こういった特殊なオーダーの場合、ただ描くだけでは私がやる意味がない！と欲張ってしまう癖があるので（笑）、デザインを考えるのに一番利用するのは連想ゲームです。秋刀魚、秋、三枚おろし…三枚おろし！？これだ！みたいな感じで、爪を使った三枚おろしにしてみました。三分割して描くことでパッと見は魚っぽさが抑えられる効果も少しだけ狙っています。

■小指には「稚魚」もいます！

－－小指に稚魚がいるのも可愛らしいですね。

参考画像として秋刀魚を検索しているときに、「そういえば秋刀魚の稚魚ってどんなだろ？」と疑問に思って検索したところ、稚魚そのものの身体がスケスケなのを画像で見て初めて知りまして。その透明感が、「このちゅるちゅる感もネイルに乗せたら面白い！オマケみたいな存在感で乗せちゃおう！」ということで小指にちょこんと稚魚を描きました。

－－描くうえで特にこだわったとことは。

アートは全てカラージェルで描き入れており、使用したカラーの数は７～８色くらいです。所要時間はアート全体でおおよそ２時間くらいだったかなと思います。

こだわったのは秋刀魚の鮮度とアートの鮮明さですね。どんな生き物を描くときもそうですが、目にはかなり力を入れます。どんなに身体を綺麗に描けていても、生き生きとした目がなければ無駄になってしまうと思っています。まさに命を吹き込むようなイメージです。アートの鮮明さは、まるで切り貼りしたかのようなくっきりとした発色で主張させる、技術的な部分でのこだわりです。

■「圧倒的なバズりに驚いた」

－－投稿に１６万ものいいね、がつきました。

たくさんの方に目を留めていただけて嬉しいです！実は先にInstagramに載せていて、そこで反響がありましたので、もしかしたら…とは思いましたが、Ｘの圧倒的なバズりには「こんなに！？」と驚きました。技術に関してのお褒めの言葉はもちろん嬉しいですが、綺麗に作るのが当たり前だと思っているので、表現方法を褒めていただけたことが特に嬉しかったです。

「ネイルを知り尽くした人じゃないと思いつかない」「枠にとらわれない発想」と言っていただけたのは感激しました！Ｘのようないろんな方が見ている場だと、普段はネイルと縁遠い方も一緒になって面白がってくれるのが楽しいですね。

■「ハイセンスなオーダーを頂ければ面白いネイルをご覧いただけるかも」

　今後描いてみたいモチーフはありますか、とたずねると「基本的にはお客様のオーダーにお応えしてそれを撮らせていただいた写真を（ＳＮＳに）載せているので、どんなものを…というイメージはあまりありません。ですがオーダーを断らないのが私の主義なので、またハイセンスなオーダーを頂ければ面白いネイルを皆さまにご覧いただけるかもしれません！」と答えるＭＡＲＩＮＡさん。さらに美しくユニークなネイルアートをこれからも見せてくれそうです。

（まいどなニュース特約・山本 明）