【ブギウギ】小雪の「ラスボス感」すごすぎる! “大阪ことば”を乗り越えて演じた、村山トミの存在感 制作統括に聞いた
今週放送された『ブギウギ』第12週「あなたのスズ子」12月22日放送の60話で、愛助(水上恒司)とともに村山興業に呼び出されたスズ子(趣里)は、愛助の母・トミ(小雪)と対面した。トミは、演芸業界最大手の村山興業を経営する凄腕の女性社長。
月曜回の56話で村山興業・東京支社長の坂口(黒田有)がスズ子に言った「あんた、村山トミ、敵に回すんか?」という台詞が“前フリ”となって、木・金曜回の59・60話で登場したトミの“ラスボス感”が突き抜けている。トミのキャラクターと、演じる小雪の魅力について、制作統括の福岡利武さんに聞いた。
■トミの「母性」を表現したかった
「スズ子の最愛の人・愛助の母であり、大きな会社の社長。息子への愛がとても強く、愛助を跡取りに相応しい人間に育てたいと願い、大きな期待をかけている。そんなトミをどなたに演じていただくのがいいだろうか。そう思っていた時に、小雪さんが出演されている映画を観ました。母性あふれる素晴らしいお芝居をしていらして、ぜひトミを演じていただきたいと思い、お願いをしました。トミのキャラクターを作っていくうえで、怖くするとか、『ラスボス感』というようなことは意識していませんでした。あくまでも『トミの母性がゆえにそうさせる』という表現がしたいと考えました」
■小雪はオファーを受ける前に自主的に大阪ことばを練習
しかし、小雪がトミ役を演じるにあたっては、「大阪ことば」の壁があったのだという。
「小雪さんは『大阪ことばでの役を今までやったことがないので、そこが不安』だとおっしゃっていました。その点でだいぶ悩まれたようで、『やるかどうかわからないけど、まずは大阪ことばを練習してみる』と、自主的に言葉の練習から始めてくださったそうです。とても悩まれたうえで、受けるとお返事をいただきました。トミの台詞は大阪ことばの中でもさらに『こってり』した言葉なので、相当量の台詞練習を重ねて撮影に臨んだのですが、現場に入ってからも苦労されていました。やはり感情的な表現をしようとする時に言葉がスッと出てこない、と。撮影の合間に、小雪さんがスズ子役の趣里さんとお話されていた際に『こういう気持ちなのに、この言い回しになるから、気持を乗せるのが本当に難しい』と、こぼしていました」
■“ラスボス”に仕立てるつもりはなかったのだが…
そして、いざ仕上がった「村山トミ」を目にして、福岡さんはこんな感想を抱いたのだという。
「衣装部が選んだ仕立ての良い着物を身につけ、髪型は『トミらしさ』を考えた昭和の日本髪。とてもお似合いです。ご本人は難しいとおっしゃっていましたが、いざ撮影してみたら、なかなかどうして、大阪ことばも達者で。実に存在感があって、押し出しの強い『お母ちゃん』になりました。結果として、やはり見事な“ラスボス”になっていましたね(笑)。坂口役を演じる黒田さんも『怖い』とおっしゃっていました。小雪さんの圧倒的な存在感がなせる技だと思います」
トミと坂口を交えて、波乱含みとなったスズ子と愛助の恋模様。来週13週の週タイトル「今がいっちゃん幸せや」に期待して見守ろう。
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『ブギウギ』
【出演】趣里 水上恒司/草彅剛 蒼井優 菊地凛子 生瀬勝久 小雪 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【脚本】足立紳 櫻井剛
【音楽】服部隆之
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
【放送時間】
▽NHK総合
毎週月曜~土曜 前8:00~8:15/(再)後0:45~1:00(※土曜は一週間を振り返り)
毎週日曜(再)前11:00~11:15
翌・月曜(再)前4:45~5:00(※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送)
▽NHK BS・NHK BSプレミアム4K
毎週月曜~金曜 前7:30~7:45
毎週土曜(再)前9:25~10:40(※月曜~金曜分を一挙放送)
(まいどなニュース特約・佐野 華英)