【飲みニケーション】「自分の時間なくなる」「上司や同僚への理解深まる」など賛否が分かれる結果に
昨今話題になることが多い「飲みニケーション」。現代のビジネスパーソンはどのような考えを持っているのでしょうか。株式会社ワークポート(東京都品川区)が「飲みニケーション」について調査を実施したところ、職場での忘年会に「参加する」と答えた人のうち、約3割が「参加したくないが行く」と回答したことが分かりました。また、飲みニケーションの必要性については、必要派と不要派がほぼ半々という結果になったそうです。
調査は、同社を利用する全国の20~40代のビジネスパーソン男女621人を対象として、2023年11月~12月の期間にインターネットで実施されました。
まず、「職場での忘年会の開催」について聞いたところ、「開かれる予定がある」と答えた人は45.7%、「予定はない」と答えた人は54.3%となりました。
そこで、「職場で忘年会の開催予定がある」と答えた284人に「参加の意向」を教えてもらったところ、76.8%の人が「参加派」となったものの、その内訳を見ると、「参加したいので行く」が45.1%、「参加したくないが行く」が31.7%となり、望んで参加する人が半数近くいる一方で、仕方なしに参加する予定の人も3割ほどいることが明らかとなりました。なお、「参加しない」と答えた人は23.2%でした。
「参加したくないが行く」と答えた人からは、「参加・不参加が人事評価に関係する半強制状態」(40代男性)、「関わりのある方が大勢参加するため」(20代女性)など、欠席しようにもしづらい状況にあるとする意見が多く挙がりました。
また、「できるだけ人間関係を円滑にしたい」(20代女性)、「付き合いも仕事のため」(30代女性)、「管理職という立場上、行かないわけにはいかない」(40代男性)、「面倒だが、普段コミュニケーションをとれない人たちがいるため」(40代女性)といった、参加したくないものの必要ではあると判断して参加する人も少なくないことがうかがえます。
ちなみに、「コロナ禍と比較して仕事関係の飲み会は増えたと感じますか」と全回答者に聞いたところ、45.4%の人が「減った(コロナ禍前より少なくなった)」と回答し、5類移行から半年以上経った今も仕事関係の飲み会は減少傾向にあることがうかがえました。
また、「1カ月間あたりの飲み会の平均頻度」については、「1回」(26.9%)や「2回」(4.5%)などが上位に挙げられたものの、「0回」(64.4%)が最多となっています。
最後に、「働く上で飲みニケーションは必要だと思いますか」と全回答者に聞いたところ、「必要だと思う」(かなりそう思う11.3%・ややそう思う39.6%)と答えた人は50.9%、一方、「必要ではない」(まったくそう思わない18.7%・あまりそう思わない30.4%)と答えた人は49.1%と、ほぼ半々の結果になり、それぞれの回答について、以下のようなコメントが集まったそうです。
【飲みニケーションは必要】
▽仕事中では話しにくいこともフラットに話すことができる(20代女性)
▽他部署・他職種の事情などが知れる(40代男性)
▽チームワークに良い影響がある(40代女性)
▽仕事と関係ない話など、いろいろ話すことで人柄が分かる(30代男性)
▽仕事以外の話をすることで上司や同僚への理解が深まり接しやすくなる(30代女性)
▽リモートワークなどにより普段の職場では会いにくい人とも直接コミュニケーションがとれる(40代女性)
▽業務外で気軽に話せる関係を作っておくことで、業務中もちょっとしたことで話しかけやすくなる(30代男性)
【飲みニケーションは不要】
▽出費が増えるし、貴重な自分の時間がなくなる(30代男性)
▽仕事の話や仕事上の人間関係構築は就業時間中にすればいい(20代女性)
▽職場の人間と仕事以外で関わりたくない(20代男性)
▽お金にならない残業だと感じるから。手当がつくならウエルカム(30代女性)
▽お酒が入るとセクハラ、パラハラ発言が増えるから(30代女性)
▽不参加者の悪口などが出ることが多い(40代女性)
▽アルコールが苦手で、ノリについていけない(30代男性)
▽お酒を飲まないとできないコミュニケーションなど不要(40代男性)
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調査を実施した同社は、「忘年会に限らず職場の飲み会頻度は減少傾向にあり、ビジネスパーソンの飲み会離れが進んでいることも明らかになっています」とした上で、「企業はこうした現状を踏まえ、お酒の力に頼らなくても社員がフランクに交流できる場やコミュニケーションを深められる方法をより積極的に模索していく必要があるのかもしれません」と述べています。