視力検査「ぼんやりとしか見えてない」時でも答えて大丈夫? メガネ屋さんが投稿した意外な答え「正しい検眼広まってほしい」

視力検査を受けている時に「指標がぼんやりとしか見えていないけれど答えて大丈夫かな」と不安に思った経験はありませんか?この疑問を解消する、メガネ屋さん店主のX投稿が8万件以上のいいねを集めています。

投稿したのは、埼玉県行田市で102年続く「サカタメガネ」店主の坂田頼彦さん。ぼやけた視界の画像とともに「視力検査ではこのくらいでも『右』と答えてください」「ハッキリ見えてから答える、ではありません。何となくこっちかな、程度で答えてください」と呼びかけています。

検眼をしたお客さんに「他の眼科で『何となくで良い』と言われ、検査が適当だと感じた」と言われたのが投稿のきっかけだそう。「誤解されている方が多いのですが、実際には視力検査では何となくこっちかな、で答えるのが正しい受け方です」と呼びかけます。「我々検眼をする側が検査の受け方をまだまだ周知できていない現状があるのですが、少しでも正確な検眼をどこの施設でも受けられるよう投稿しました」とのことです。

何となくとは言うものの、もちろん全くの「あてずっぽう」は好ましくありません。「本当にあてずっぽうで答える方がたまにいますが、検査員は分かります」と坂田さんは話します。

それもそのはず。視力検査の“出題”は大きい指標から徐々に小さくしていき、間違えたら1つ戻る、を繰り返しながら同じ視力の指標が3分の2(もしくは半分)以上正解でその視力値とするそうです。あてずっぽうで答えた時、4方向のランドルト環指標(※よく見かけるCマークのもの)では2回連続で成功する確率は16分の1、3回連続は64分の1。8方向のものであればさらに確率は下がります。「連続で正解することはとてもまれですし、被検者の態度で怪しい人は何度も繰り返すのであてずっぽうで答えているのは分かる場合がほとんどです」と坂田さんは話します。

これ以外にも、

・目を細めない…正確な数値を測るため

・遮眼子(片方の目をふさぐ道具)を目に押し付けない…ふさいでいる方の目を測定する時に見えにくくなるため

・遮眼子で隠している目を閉じない…目を開けた直後は視界がぼやけてしまい正確に測定できないため

といった注意点をあげています。

■「見えないフリ」は逆効果

また、お客さんによくある誤解でこんなケースも。出来る限りよく見えるメガネを作ってもらおうと、検査でわざと「分からない」と答える人がいるそうですが「間違いです」と坂田さんは断言します。「メガネの度数は強ければ見えるというものではなく、合っているから見えるのです。わざと分からないと答えていると合っていないメガネになってしまうので、そちらの方が見えにくくなります」

坂田さんは他の投稿でも、視力0.01~1.0の「見え方比較動画」を公開して話題になるなど、Xでの発信に力を入れています、「目やメガネについての誤解は意外と多く広まってしまっており、自分では目のためにやっているつもりのことがかえって目に負担をかけていることもあります」「少しでも正しい知識を情報発信していけるよう投稿を続けています」と話しています。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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