広島県を拠点に「殺処分ゼロ」を目指し犬の保護・譲渡活動を行う団体、ピースワンコ・ジャパン（以下、ピースワンコ）。これまでに動物愛護センターから殺処分前のワンコたちを保護・世話をし、これまでにおよそ8000頭の命を救ってきました。

ピースワンコには多くの元野犬がいることでも知られていますが、2023年保護された茶色毛並みのミックス犬でメスのプリムラもそのうちの1匹。推定3歳ほどですが、もともとおとなしく穏やかな性格だからなのか、元野犬に多い人間に対する強い警戒心もそれほどなく、そして人馴れトレーニングもいち早くクリア。心身ともに極めて良好のワンコでした。

■その時間にはスタッフを催促するほどの散歩好き

トレーニングをクリアした後、ピースワンコの岡山譲渡センターで新しい里親さんとの出会いを待っていました。この間の様子は、普段は極めておとなしく部屋の中でジッと過ごすことが多いのですが、それが一変することがあります。

それは「散歩の時間」です。ジッとおとなしく過ごしていたプリムラですが、「そろそろ散歩に行く」ことを察知すると一変。急にシャキーンと立ち上がり、「早く連れて行ってよ！」と言わんばかりに、センターの扉の前に座りリードをつけてもらうのをうれしそうに待っています。

いよいよ散歩に連れていくと、満足そうな表情のプリムラでしたが、大暴れしたり、リードを引っ張るようなことはありません。人間の歩幅に合わせて上手に歩くことができるお利口さんでした。つまり、散歩が大好きで人間との協調にも長けた賢さを持っており、性格も穏やかです。「こんなにお利口さんならきっとすぐに里親希望者さんが現れるはず」と、スタッフも太鼓判を押していました。

■優しい里親さんの元で第二の犬生をおくることに

スタッフの予感は的中し、ほどなくして「プリムラを迎え入れたい」という優しそうな里親希望者さん家族が現れました。

一定の面談などを経てピースワンコでは「プリムラを迎え入れてくれる人はこの家族しかいない」と判断。2023年10月、プリムラはこの温かい家庭に迎えいれられることとなり、第二の犬生を掴むことができました。

プリムラの穏やかな性格は、優しい里親さんの家庭とも見事にマッチしており、きっと今頃は里親さんと一緒に、大好きな散歩を楽しんでいることでしょう。おめでとうプリムラ！　いつまでずっと幸せにね！

ピースワンコでは、今も多くの保護犬たちが新たな家族との出会いを待っています。今はまだ散歩が苦手な子も、散歩が大好きでたまらない子も、大好きな家族と日々散歩にいけることは大きな喜びです。一匹でも多くの保護犬たちに、この喜びが訪れることを願うばかりです。

ピースワンコ・ジャパン

https://peace-wanko.jp/

（まいどなニュース特約・松田 義人）