トイレを流す際の「フタ」は閉める?そのまま? 約2人に1人が「フタを閉めて流す」と回答

みなさんは、トイレを流す際の「フタ」はどのようにしていますか。ライオン株式会社(東京都台東区)が全国の男女450人を対象に調査をしたところ、約2人に1人が「フタを閉めて流す」と回答しました。また、フタを閉めて流す理由については、「飛び散るのが嫌だから」などの衛生面が多く挙げられたそうです。

調査は2023年8月にインターネットで実施されました。

調査によると、自宅のトイレにおいて、「フタを閉めてから流す」と答えた人は56.2%。そのうち、「コロナ禍をきっかけに閉めて流すようになった」人は10.2%でした。

なお、「フタを閉めて流す」理由としては、「跳ね返ってくるのを防ぐ」「飛び散るのが嫌」「感染リスクを少しでも減らしたい」など衛生面が多く挙げられました。

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フタを閉めて流せば、床など便器の外への水の飛び散りは防げると思われますが、フタの裏側への飛び散りが気になる人も多いのではないでしょうか。

そこで、同社では水に濡れると色が変わる紙をフタの裏側や便座や床に貼り付けた後、フタを閉めてトイレの水を1回流し、水に濡れて色が変わった部分(飛び散った水滴)の数をカウントする実験を実施しました。※渦を巻かない水流の便器8台を使用

その結果、フタを”閉めて”流すと、1回の水洗でフタの裏側に平均「約90滴」の飛び散りが発生することが分かりました。例えば、家族4人が5回ずつトイレを利用したとすると、1日で約1800滴にもなります。飛び散りを防ぐためにフタを閉めて流した場合でも、飛び散り自体がなくなるわけではないことが明らかとなりました。

上記の実験では「渦を巻かない水流」の便器を使いましたが、最近の「便器は渦を巻く水流」タイプも多く出回っています。また、便器のフチ部分の形状や水たまり面の大きさなど便器により様々です。

そこで、(1)水流のタイプ、(2)便器のフチの形状、(3)水たまり部の大きさの3つの観点で分類整理をして検証実験を行ったところ、飛び散りが多い順に(1)渦を巻かない水流、(2)便器のフチに折り返しがないフチなし形状、(3)水たまり部が小さい便器となりました。この結果から、一概に便器のタイプが新しければ飛び散りにくいと言えないことが分かりました。

次に、飛び散ることによるリスクを把握するため、「菌の汚染実態」を調査した結果、飛び散りが起こったフタの裏側からは菌が検出され、飛び散りが菌汚染の原因になることが確認されました。菌が尿を分解すると悪臭を発することは古くから知られており、こういった飛び散りを掃除せず放置するとニオイの発生にもつながることが考えられます。

最後に、「トイレで汚れが気になる場所」を複数回答で答えてもらったところ、「便座の裏」(61%)が最多となり、「最も気になる場所」としても36%で最多となったことから、トイレの気になる汚れの筆頭格として生活者の意識が高いことがうかがえます。

 一方、フタに関しては、「フタの裏側」は40%、「フタの表側」は30%であるものの、最も気になる汚れとしては、「フタの裏側」は3%、「フタの表側」は2%と、なんとなく気にはなっているものの汚れている場所とは強く意識されていない様子がうかがえました。

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なお、「フタの掃除」について、同社のリビングケアマイスター吉井和美さんは以下のようにアドバイスをしています。

フタを閉めて水を流す人が増え、フタの裏側が汚れやすくなっている一方で、今まで「フタの裏」の汚れを気にしていなかった人も多いと思います。ここが汚れやすい所であると知っておき、普段のふき掃除の時に、忘れずに掃除することを心がけましょう。

ふき掃除にトイレ用シートを使う方も多いと思いますが、ふき掃除にも使えるトイレ用洗剤を吹きかけトイレットペーパーでふく方法もおすすめです。トイレットペーパーが汚れたらトイレに捨てて新しく交換すれば、いつも清潔な状態でふき掃除ができます。

ふき掃除の際は、乾いたトイレットペーパーで便座やフタをふくと傷つきやすいので、必ず洗剤や水で濡らした状態でふくようにしてください。

また、フタの裏側に貼ってある製品シールが剥がれないように、境目はシール部分から外に向けてふくとよいでしょう。

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