ショック!空港の手荷物検査で、没収?「その場で2本食べた」「羊羹も」「プリンも」→理由を関西国際空港に聞いた

「関空の手荷物検査で甘党まえだのみたらし団子没収されたから、その場で2本食べたらドン引きされた」

バリトン歌手の市川敏雅さん(@ZRMYLcnRkVPLO8y)によるX(旧Twitter)への投稿が話題となっています。空港保安検査場で、没収される寸前のみたらし団子を急いで頬張るバリトン歌手……想像するだけでクスッと笑ってしまう状況。

この投稿の出来事について、市川さんにお伺いしました。

■羊羹、ういろう、マヨネーズ!こんなものが、保安検査場で没収されている?!

ーーこの「みたらし団子没収」は関西国際空港から、どちらへ移動される時に起きたのですか?

「韓国・ソウルにて開催されたカルミナ・ブラーナの代打歌手として演奏会へ向かうところで。関西国際空港から韓国へ行く途中での出来事です」

ーー甘党まえだのみたらし、海外へも連れて行きたいほど、お好きなんですね!

「まさに、私のソウルフードですね!甘党まえだのお店がある街を通る時は、絶対に買いたいので事前に電話で取り置きをお願いするほどです。関西国際空港を利用する時は、なんばで5本ほど購入して、関空に向かう南海・ラピートの中で食べきってしまいますが、この日は韓国にいる私のマネージャーが、以前から食べたいと言っていたので、お土産に持って行こうとしていました」

ーーこのみたらし没収以前に、これまで空港保安検査場で何か没収となった経験はありますか?

「ロサンゼルス国際空港でカップケーキ、仁川国際空港でキムチを没収されました。ロンドンから帰国した時は、スーツケースにサラミを入れていて羽田空港のターンテーブル付近で犬に吠えられ、その場で没収となったことも……。振り返ると、食べ物ばかり没収されていますね (笑)」

ーーどれも美味しそうで……持って帰りたい気持ちがわかります(笑)!

今回の市川さんの投稿に対してコメント欄には、空港保安検査場や帰国時の動物検疫検査で繰り広げられた没収に対するドラマが並びました。

「知り合いのアメリカ人も羊羹でモメて『危険じゃないと証明してやる!』と言ってその場で一本ぜんぶ食べてました」

「プリン、ゼリーもNGです。よく保安検査場でプリン食べてる人見かけます」

「ヘルシンキ空港でういろうが没収されそうになったところ、夫がその場で食べて、難を逃れたことがあります」

「昔、スペインから意気揚々と持ち込んだ生ハムの塊を没収されて唖然としたのを思い出しました…」

「関空の手荷物検査で止められ、居合わせた皆様のご声援のもと私がその場で飲み干したのは、“明太子マヨネーズ450g“」

加えて「みたらし団子は『串』がダメなのか『タレ』が液体でダメなのか」という疑問も集まりました。今回のみたらし団子ははもちろん、リポスト欄に並んだ数々の没収物に対して、なぜ機内持ち込みNGなのか、関西エアポート株式会社の広報担当者にお話をお伺いしました。

■ゼリー、バター、豆腐…半液体状物は機内持ち込みNG

ーーみたらし団子はなぜ、保安検査場で没収となったのでしょうか?

「まずは『国際線の利用』というところがポイントとなってきます。国際線の場合、液体物の航空機内への持込みは、国際民間航空機関(ICAO)が決定した国際的なルールに沿って決められております。

国際線において、液体物を航空機内へ持ち込む場合は、原則、100ミリリットル(g)以下の容器に入った液体物で、容量1リットル以下のジッパーの付いた再封可能な透明プラスチック製袋に余裕を持って入れる必要があります。

そして、この液体物に関しては、水やお茶などの他、ゼリーやプリンのような半液体状物(容器に入れないとその形状を保てない物)も液体物に含まれます。今回のみたらし団子は、団子にたっぷり絡んだ『タレ』がこの半液体状物とみなされました」

ーーゼリーやプリンも確かに、振ったら液体状になりますもんね! 言われてみれば、みたらしのタレも半液体状物かも…

「コメントに寄せられていた羊羹、ういろうもまさに半液体状物ですね。そしてチョコレートも溶けていたりクリーム状であれば、これも半液体状物に該当します」

ーーということは、バターも?!溶けたら液体ですよね

「まさに!バター、マーガリンも半液体状物です。ほかにも、瓶詰めやチューブの調味料、味噌、漬物、豆腐といった品目も対象となります」

ーー確かに……豆腐も振って崩れたら液体状ですね。もし今回のみたらし団子を機内持ち込みしたい場合、保安検査場を突破するためには、タレと団子を別にして、タレを100ミリリットル以下になるように別の容器に詰め替え、1リットル以下のサイズのジップロックに入れたら持ち込めたのでしょうか……って、誰もそこまではしないと思いますが(笑)

「そうですね。そこまでしていただいたら、通過できると思います」

■リチウム電池製品はリチウムの含有量をチェックして

ーーほかにも、保安検査場で没収となりがちなアイテムがあれば教えてください

「凶器(刃物類、鉄砲類)やスポーツ用品(ゴルフクラブ、バット、登山用ストック )はもちろんですが、電池やバッテリーなども要注意です。リチウムの含有量によってはNGのものも。詳しくは国土交通省のホームページに代表例がございますのでご確認ください。

あと、よく保安検査場で放棄(没収)になっている場面を見かけるのは、ヘアケア製品ですね。これはタイプによって機内持ち込みOK、NG、さらにはお預けさえもNGということもありますので、こちらも国土交通省のホームページから事前に確認してみてください。

でも、一番放棄されがちなものは、やはり液体物。特に保安検査場でよく禁止品として放棄されることが多いです。予め関西国際空港のホームページにて確認頂くか、ご搭乗予定の航空会社へご確認をしていただくのが、一番安心かと思われます」

ーーちなみに、関西国際空港から出国される訪日観光客の方で、よく保安検査場で没収されてしまうアイテムは?

「こちらもやはり液体物が多いですが、弊社HPにも記載しているサムライアンブレラ、手裏剣なども放棄(没収)されています」

機内持ち込み荷物の液体物(半液体状物)に対して厳しい規制がある一方で、チェックインカウンターで預ける荷物には入れることが可能なんだそう。荷造りの際に、機内持ち込み荷物と預ける荷物、それぞれ正しい知識を持って振り分けたいですね。

最後に関西エアポート株式会社の広報さんは「特に、機内持ち込み制限品としてはハサミやナイフ等の刃物類の他、国際線については液体物についても上記の通り半液体状のものは持ち込み不可ですし、量的制限もあります。でもすべては航空機の安全な輸送のため。安全安心かつ、ご旅行等を楽しんでいただくためにも、旅のご準備をされる際は、予め国土交通省HPや弊社HPをご覧いただくほか、もし持ち込み品に疑問や不安がある際は、保安検査の実施者である搭乗予定の航空会社さまへご確認してみてください」と話していました。

今回「空港保安検査場でみたらし没収」という珍事で、海外へ出掛ける際の機内持ち込み荷物について、考えるきっかけをくださった市川敏雅さんは、国内外でオペラのバリトン歌手として活躍されています。

そんな市川さんが活動の起点にしている『滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール』では、2023年12月31日の大晦日に『びわ湖ホール ジルヴェスター・コンサート 2023』を、2024年3月23日『びわ湖ホール声楽アンサンブル 第78回定期公演「The オペラ!」』を開催。「The オペラ!」では、ヴェルディの「レクイエム」、ブリテンの「小さな煙突そうじ屋さん」とオペラの名曲を演奏予定。

市川敏雅さん

奈良県出身のバリトン歌手。びわ湖ホール声楽アンサンブル所属。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース・なつめ まさこ)

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