問い合わせが集中した「人気中古車」2023年ランキング…1位は「ポルシェ911」 SUVが上位に入りづらい理由とは
2023年に注目が集まった中古車はどの車なのでしょうか。株式会社リクルート(東京都千代田区)が企画・制作する中古車情報メディア『カーセンサー』がこのほど発表した「第10回カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー 2023」によると、「ポルシェ911(2011年発売モデル)」が1位となったそうです。
調査は、2022年11月~2023年10の期間に同メディアに掲載された全モデルから、ユーザーからのメール問い合わせ総件数と、各モデル1台当たりの問い合わせ集中率をポイント化し、その合算値の高い順に注目度の高かったモデルをランキング化。そのほかの結果は以下の通りとなりました。
▽第10回カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー 2023
【1位:ポルシェ911(991型)】
世界中で高い人気を誇るジャーマンスポーツカーの7代目。一目で911とわかるシルエットは健在ながら、100mm延長されたホイールベースやワイドフェンダーにより、ワイド&ローな印象が強められています。伝統の水平対向6気筒エンジンは911が3.4L、911Sは3.8L。いずれも出力アップしつつ、軽量設計のボディシェルや高効率なトランスミッションPDKと組み合わさることで燃費性能も向上しているといいます。
【2位:ダイハツ・コペン(初代)】
実用車が中心となっていた軽自動車に、彗星のごとく現れたスポーツモデル。軽自動車初となる電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」に加え、専用チューンのエンジン&サスペンションを装備するなど、スポーティな走りを満喫できるといいます。
【3位:ダイハツ・タント(初代)】
軽クラス最大のホイールベースにより、室内長はミドルクラスに迫る軽ワゴン。ロングスライド&リクライニングが可能なリアシート、約90度まで開くドアやフラットフロアにより、広く快適な室内を実現し、全車に衝突安全ボディ・TAF、安全インテリア・SOFI、デュアルSRSエアバッグを採用しています。
以下、4位「トヨタ・86」、5位「ホンダ・ステップワゴン」、6位「トヨタ・ヴォクシー」、7位「ホンダ・S660」、8位「マツダ・ロードスター」、9位「ポルシェ・911(現行型)」、10位「ホンダ・CR-Z」がランクインしていました。
なお、最近の中古車市場について同メディアの統括編集長である西村泰宏さんは以下のように解説しています。
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新型車が発売されれば高い確率でSUVを発売しているように、新車市場ではSUVが車のスタンダードな形と言わんばかりの勢力を振るっています。
中古車市場においても、種類や選択肢が豊富な状態へ大きく変化していることに伴い、問い合わせ数も増加の傾向ですが、物件数の伸びの方が強いため1台当たりの注目度は相対的に下がる傾向となっています。
つまり、SUVは中古車市場でも購入対象としてアタリマエ化しており、特定の人気モデルに限らず票が分散してランキング上位に食い込みにくくなってきています。
逆に、非SUVモデルは新車として増加する種類が減っているため、中古車市場における選択肢の中で「指名」されるモデルへの注目度が際立つ構造にあるということになります。新車市場の傾向が変わらず続くことが予測されるため、この傾向は来年以降も継続されるでしょう。
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【出典】
▽第10回カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー 2023