「日常生活で大麻を入手できると思う」と答えた大学生の割合は 20人に1人は薬物の使用・購入を勧められた経験
昨今、大学生における大麻乱用の増加が社会的な懸念事項となっています。株式会社ペンマーク(東京都目黒区)が、現役大学生を対象に「大麻使用」に関する意識調査を実施したところ、薬物使用に対して、7割弱が「絶対に使うべきではない」と答えた一方で、2割強の人が「特定の条件下での使用は許容される」と回答しました。また、3人に1人以上が「日常生活で大麻を入手できる」と回答したそうです。
調査は、同社が運営する大学生向け学習管理SNS『Penmark』の公式LINEアカウントを利用中の学生758人を対象として、2023年11月にインターネットで実施されました。
調査によると、約7割の人が「大学生の大麻乱用問題を認識している」(非常によく認識している(自ら積極的に調べている)11.3%・ある程度認識している(ニュースや啓発活動などから情報収集している)59.5%)と回答しました。
また、「薬物乱用がもたらすリスク」については、約8割が「知っている」(非常によく知っている(リスクの詳細や法的な側面を正確に理解している)23.4%・一般的な理解がある(基本的なリスクや法的な問題を知っている)59.4%)と回答。
さらに、「大麻所持等による罰則」については、9割近くが「知っていた」(86.5%)と答えたものの、1割強の大学生は「知らなかった」(13.5%)と答えています。
多くの学生が、薬物乱用のリスクや法的側面を理解している状況が分かりました。そこで、「薬物使用に対する態度」を聞いたところ、7割弱が「絶対に使うべきではない」(66.2%)と回答。その一方で、「特定の条件下での使用は許容される」は23.9%)、「使用は個人の自由である」(7.1%)といった回答も見られました。
なお、この傾向は、『麻薬・覚せい剤乱用防止センター』が指摘する若年層の大麻使用許容度の増加(※)と一致しており、10~30代で「少しなら構わない」「個人の自由」との意見が増えている現象を反映した結果となり、大麻乱用問題への認識や薬物リスクの理解を踏まえると、若年層の意識と態度の間にギャップがあることが明らかとなりました。
(※)公益財団法人 麻薬・覚せい剤乱用防止センター「薬物乱用防止のための情報と基礎知識
次に、「薬物の使用、購入に関する経験」について聞いたところ、9割以上の学生が「そのような経験はない」(92.9%)回答。一方、「使用を勧められたことがある」は4.4%、「購入を勧められたことがある」と回答した学生は1.2%という結果になりました。
また、「日常生活で大麻を入手できると思うか」と聞いたところ、最多は「わからない(40.0%)」だった一方で、約3分の1の学生が「日常生活の中で大麻の入手は可能だと思う(36.1%)」と回答。大麻へのアクセスが比較的容易と感じる学生が多い様子がうかがえました。
最後に、大学が実施する「薬物乱用防止に関する教育活動」について聞いたところ、約4割が「知らない」(39.9%)と回答。「知っている」(知っている33.4%・知っているが、参加したことはない18.5%)と回答した学生は半数以上となりました。
ちなみに、「大学での薬物乱用予防教育にどのような改善が必要だと思いますか」という質問には以下のようなコメントが寄せられたそうです。
▽大学側が必修授業や集中講義に組み込むことで学ぶ機会を提供する
「薬物に対する危機感を持っている人は参加しているため、そうでない人こそ受けやすい形が必要。どこからが違法なのか、使用するとどうなるのかをリアルに伝えた方がいい。同世代には、そこを想像できない人が多くいる」
▽実際に薬物乱用者の経験談を聞くことで、薬物の危険性を正しく認識する
「薬物に関する漠然とした知識やイメージがあっても、実際の薬物乱用者の現状を知っている人は少ない。そのことによって、大学生が安易に薬物を捉え、薬物に手を出してしまっているのではないかと感じる。そのため、実際に薬物を使用していた人の話を聞ける機会があれば良いと考える」
▽周囲で薬物使用を発見したり、勧められた場合の対処法について学ぶ
「断る勇気を与える。先輩や友達から言われて断れなくて、というパターンもあると思うので様々なパターンの断り方を教える」
「危険性のみならず、周りの人が使用していた場合どのような対処を取るべきかまで指導する必要があると考える。大学生は知人や友人に薬物を使用する人が見て見ぬふりをする人が多いと思うので、相談窓口や警察など通報先を知らせて、促す必要があると思う」
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【出典】
▽Penmark/【大麻使用に関する意識調査】大学生の3人に1人、日常生活で大麻を入手できると回答 ~大麻の使用について、約4人に1人が条件つき使用を許容~