「2年間だけ賃貸で一戸建てに住んでみない?」…“マンション派”の妻に、戸建て派の夫が思いついた「説得工作」 はたして心境に変化は
マイホームとして「戸建て」を選ぶか「マンション」を選ぶか…。悩む人ばかりではなく「私は絶対に〇〇派」と自信をもって選ぶ方も少なくありません。ただ、家族の意見が同じであれば全く問題ありませんが、夫婦で意見が合わないと、離婚寸前の大騒動に発展してしまうことも……。Aさん(関東在住、40代、共働き)は、「絶対にマンション派」という妻に一戸建てを検討してもらえるよう、必死の説得を試みている最中です。
■妻は「絶対にマンション派」
Aさんの実家は関東近郊の広々とした一戸建て。Aさん自身も大学入学で地元を離れるまでそこで暮らしていました。
大学入学から結婚する直前まで、6畳のワンルームマンションに暮らしていたAさんは、マンション暮らしには不満気味。「隣や上階の足音も気になるし、集合ポストやエレベーターで他の住人と一緒になるのも気まずい。自転車置き場やゴミ捨て場を適当に使う奴がいるとイライラするし、やっぱり住むなら戸建てがいいなあ」と思っていたそうです。
一方、Aさんの妻・Bさんは、産まれたときからファミリー向けの3LDKマンション暮らし。祖父母の家は3軒長屋の一軒だったり、古民家とも呼べそうな大きな古い建物だったりで、あまり一軒家にいい記憶がありません。Bさんは「住むなら絶対マンション、しかも高層階。だって虫が来ないし、景色もいいし、日当たりもいい!」という完全マンション派でした。
結婚当初はお互い通勤が便利な乗換駅に近い1LDKマンションを借りることで「住まい」について問題になることはありませんでした。しかし、いよいよ「終の棲家」を購入しようと話し合いを始めたのをきっかけに、お互いが戸建て・マンションそれぞれ「ぜったいこっちがいい」と考えていることが判明。平行線をたどったため、マイホーム探しは一時中断状態になってしまいました。
■購入する前に「賃貸でお試し」を
「どちらかの住まいのこだわりを無視すると、将来絶対にトラブルになる」と考えたAさん、とはいえ自分もこのまま諦めたくない……あるアイデアを提案しました。
「僕は大学生のときも今もマンションで暮らした経験があるでしょ?でもBちゃんはいちども一戸建てに暮らしたことがない。おばあちゃんの家はさすがに古くて、今の家と全然違うから参考にならないよ。一度、賃貸で普通の一戸建てを探して、そこに2年間だけ住んでみない?引っ越し代はもちろん僕が負担するよ?それでも絶対一戸建てはダメと思うなら、その時は諦めるから」
このまま平行線では一生マイホームは購入できないかも…と考えていたBさんも、この提案にのることにしました。
■1年住んでみた妻の感想は?
そして現在、転勤のために2年間の定期借家契約で貸し出されていた築5年の戸建てに住んでいます。1年が経過したところで「絶対マンション派」だったBさんにお話を伺いました。
今のところ、まだ「戸建てがいい!」と思うほどは決心がついていないものの「戸建てでも予算や立地、デザイン次第ではありかも……?」と思える程度には気持ちが変化したそうです。
・戸建ては寒いと思っていたけれど、そんなに違いを感じない
・ご近所付き合いの大変さは、どんな人が隣かによるし、それはマンションも同じかも?
・夫婦ケンカしたとき上の階と下の階に分かれられるのはいい!
・大の虫嫌い。しかし、きちんと対策しているからか蚊以外は一度も見たことがない
・ただ、借りた物件は良かったけれど、欠陥住宅はやっぱり怖い……。
「注文住宅で築浅の賃貸戸建てが出たのが良かったです!新築ならもっと自分の気に入る物件になるし、1年後にはしっかり戸建て派になるように、今から土地情報やハウスメーカー情報収集しておきます!」と自信満々のAさん。はたして1年後、2人にマイホーム選びはどうなるのか…またお話を聞いてみたいと思います。
(まいどなニュース特約・中瀬 えみ)