「被災者のペット預かります!」里親募集サイトが、地震で「預けたい」「預かる」マッチングを開始「緊急事態だからこそ、支援したい」
「能登半島地震にてペットと被災された方へ
①緊急事態への対応としまして『いつでも里親募集中』内において一時預かりの募集・預り可能者側の投稿を可能としました。
②被災地域内または近隣において支援物資の受付窓口となって下さる方がいらっしゃいましたらDM下さい」
栃木市内にあるペット用品の買取・アウトレット商品の販売・動物愛護団体への支援などに取り組む「源吉商店」さん(@genkichisyouten)と「NPO法人東京キャットガーディアン」さんの共同で開設している「里親募集サイト」で、石川県能登半島地震の被災者に向けて犬猫などのペットの一時預かり希望者を募っています。また同時に被災地近辺でペットの預かりが可能な人も募集し、預かってもらいたい被災者側と預かる側のマッチングを行うといいます。
「人間だけでなく犬猫などの伴侶動物も、震災で物理的・精神的に大きなダメージを負っていることと思います」と訴える源吉商店さん。今回の取り組みについてお話を聞きました。
■行政、ペットより今は人間の救出が優先 だからこそ「被災地域の動物たちの預かり保護」呼び掛け
──能登半島地震で被災された方のペットを一時預かれるよう運営サイトを臨時に開設したそうですが。
「通常は『保護犬猫の里親募集』をするサイト(運営元は東京キャットガーディアン)なのですが、今回の緊急事態において、われわれにできることは何かを地震がおきた日の夜から協議を始めたんです。すぐにできることは『被災地域の動物たちの預かり保護』の呼び掛けだと思いました。1月2日の呼び掛けから『預かります』という保護活動者様が10名ほど集まりました。預けたいと言う方のご登録はまだ進んでおりませんが、お問い合わせはいただいている状況です。まだ被災地域の方々にこの情報が伝わっていないと思いますので、ぜひ拡散したく思っています」
──被災地域の犬猫などの保護ボランティア(活動者)さんの状況は。
「被災地域にお住まいの保護活動者さまと直接電話でのやり取りを数名の方と行いましたが、現地での被災状況が、私の想像していた以上にひどく、保護していた動物が逃げ出してしまったり、いろんなところで犬や猫が走り回ったりしていると聞きました。また、被災地域の行政側にも問い合わせたのですが、現在ペットよりも今は人間の救出や保護が優先されているので、ペットたちに対する待遇は二の次。そもそも現状把握がまだ追いついていないようです」
■被災地域にいる動物たちへの支援物資も届けたい!
──被災地域の動物たちへの支援物資も届けたいとのこと。
「はい。被災地域にいる動物たちへの支援物資を届けることを準備しているのですが、やみくもに荷物を一度運ぶだけで済む問題ではないと思っており、被災地域に数カ所以上の支援物資置き場と受け渡しができる拠点を設けることが必要だと考えました。ポストした内容に反響がかなり届き、石川県金沢市、かほく市、七尾市、富山県富山市などで支援物資の中継拠点が築けそうな見込みが出てきました。
現在もその他のエリアにお住まいの保護活動者さんや、地元の建設会社から敷地と倉庫を使って構わないからぜひ支援を頼みます…という声も届いています。この中継拠点となる場所と人員の確保ができ次第、広く支援物資の受付を始める予定です。その一方で、ペットフードメーカーなどへの支援物資の依頼をすることも検討しています。また現地では物流が滞っているため、宅急便などへの依頼は考えず、しばらくの間は自社のトラックで輸送することを決めています」
──最後にペットのいる被災者の方や預かりを支援したい方へメッセージをお願いします。
「必要なものを必要な場所へ届ける活動を、これまでも“ペットフードロス解消”という観点で続けてきました。緊急事態であるからこそペットたちと一緒に過ごせる環境が保たれるよう、できる限りのベストを尽くして支援をしたいと思います」
※飼育継続が困難になり、里親募集を行う方は、従来どおりサイトを使えるとのこと。また犬猫以外の動物も募集可能です。
詳しくは、「源吉商店」さんのXアカウント(@genkichisyouten)のDMまで。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)