警戒心強めの元野犬 優しい家庭に迎えられ表情が一変してリラックス 「もともとこの家にいたの?」
野犬として生まれ、人間と接することがないまま動物愛護センターに収容された真っ黒のミックス犬がいます。名はアーニャ。きれいなルックスのメスですが、警戒心強めでした。後に、犬の殺処分ゼロを目指して保護活動を行う団体、ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)に引き出されることになり、同時に人馴れトレーニングを実施。迎え入れてくれる里親さんとのマッチングを目指すことになりました。
■人馴れトレーニングを経て少しずつ心を開くようになった
アーニャがピースワンコに来た当初は、推定約8カ月ほど。本来であれば遊びたい盛りで、様々なものを見て吸収する時期です。しかし、当時は警戒心が強く、なかなか心を開いてくれませんでした。
ピースワンコの神石高原シェルターに移動し、人馴れトレーニングを重ね、そして先輩のワンコたちとの交流もあり、少しずつ心を開いてくれるようになりました。当初は警戒心から口にすることさえビビっていたおやつも大好きになり、スタッフの姿を見ても逃げるようなことはなくなりました。
これを受けて、ピースワンコではアーニャを広島譲渡センターに移動させ、正式に里親募集にかけることにしました。
■アーニャのルックスと性格から一躍人気者に
この時点でのアーニャは、完璧に散歩をマスターできておらず、人間への警戒心が完全に解けたわけではありませんでした。それらを含め、アーニャの成長やトレーニングの実施を受け入れてくれる里親希望者さんの名乗りを待ちました。
譲渡会にも参加すると、かわいいルックスとマイペースで穏やかな性格から人気者に。程なくして「アーニャと面会したい」という里親希望者さんが現れました。
初めて会う里親希望者さんの前では、緊張して固まるアーニャ。しかし、笑顔を見て「この人なら信用しても大丈夫そうだわ」とばかりに柔和な表情に。2023年秋、アーニャはこの里親さんのもとで「ずっとの家族」「ずっとの家」をゲットすることになりました。
■「もともとこの家にいたの?」
当初のアーニャは初めての家でのドキドキすることがたくさんあったそうです。しかし、そんなアーニャのペースを最優先に考え、優しく接してくれる里親さんの愛情をたっぷり受け、少しずつ環境に慣れていきました。
この家で新たに「エル」という名前をもらい今では「もともとこの家にいたの?」と思えるほど溶け込み、幸せな毎日をおくっているそうです。
ピースワンコの広島譲渡センターでは、561匹目の卒業犬となったアーニャあらためエル。スタッフは今後も多くの命を救い、幸せへと繋ぐ思いを強く心に誓いました。
ピースワンコ・ジャパン
https://peace-wanko.jp/
(まいどなニュース特約・松田 義人)