皆さんは、家を購入するときに何を重視して購入しますか？　価格なのか、立地なのか、子育て環境なのか、人それぞれ条件は変わってくるかと思います。しかし、良い条件が当てはまり「これは！」との思いで購入した物件も、実際に住んでみると思わぬ“落とし穴”に気づくことがあるかもしれません。

■結婚を機に家探し

Tさん（20代女性、埼玉県在住、美容室勤務）は夫（20代、自動車メーカー勤務）との二人暮らしです。

結婚をする前は賃貸で同棲生活をしていましたが、昨年結婚をしたことを機に、マンションか戸建の建売を購入することに決めました。二人で話し合った結果、住宅にかける費用は、月々の支払いで13万円以内にし、そこから購入費用を決めていくことにしました。

調べていると、マンションでは購入費用とは別に、管理費、積立金などがかかってきてしまうことがわかりました。

それにTさんも、Tさんの夫も車で通勤しているので駐車場を確保しやすい建売に絞って探すことに決めました。

■内覧したタイミングは夜だったけど…

ポータルサイトで気になった物件に問い合わせをして、実際に何件か内覧させてもらいました。そのうちの一件が、立地がとても落ち着いた雰囲気で、内装も今時の感じでおしゃれに仕上がっていました。

キッチンも、食洗機がついていたり、今の賃貸より格段に便利になるイメージがつきました。内覧したタイミングは夜でしたが、南側に大きな窓もあり、陽当たりは大丈夫そうだなと思いました。

金額も、諸費用入れても4500万円程。月々のローンシミュレーションしてもらい、当初の計画通りの13万以内には余裕で収まる計算になりました。場所も、内装も気に入ったので、夫婦で相談して購入することに決めました。

■住んでから騒音に悩まされることに

引っ越しをして、荷解きをしていた時に、外から子どもたちの遊ぶ声が聞こえてきました。最初は、今日はにぎやかだな、と思う程度で、特に気にも止めませんでした。

しかし、その後も子どもの悲鳴とも言えるほどの声は鳴り止むことはありませんでした。Tさんの住まいは、新興住宅地ということもあり、子育て世代が多く住むエリアで、近くには大きな公園もありました。購入する前からはそのことは知っていたのですが、ここまで子どもの声がうるさいとは思っていませんでした。

家の前の道路で遊んでいる子どもたちもいて、一度ボールを車に当てられたこともありました。

こういった騒音があることに購入前に気づかなかった理由は、夜にしか内覧をしていなかったからです。仕事の都合上、夫婦の休みが会うことが中々なく、購入前に3度も内覧をしたのですが、時間帯は全て夜にしていました。

こういったことが起きることを予想していなかったので、「ちゃんと夫婦で時間をつくり、昼にも内覧をするべきでした」とTさんは反省しきりです。ただ、将来的に子どもがほしいと思っているTさん夫妻。「自分たちにも子どもが生まれて、子育てをする側になれば、今はうるさいと感じている、このエリアの良さも分かるようになるかもしれません」と話していました。

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このようなトラブルはよくあることなのでしょうか？　アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介も担当している川本麻登さんに聞きました。

■住宅を選ぶ時は、時間帯を変えて何度も内覧しましょう

ーー購入前に注意する所はどこだったのでしょうか？

住宅を選ぶ時は、時間帯を変えて何度も内覧をしましょう。おすすめは、昼と夜。平日と土日などの休日です。

住む場所によっては特定の時間帯に騒音などが気になるエリアもありますので、自分の生活する時間に気になることがないか、確認しましょう。家は一生に一度の買い物になることが多いと思いますので、よく確認しましょう。

ーー子どもの声のうるささに悩んでいるそうですが、新興住宅地ではこういったことが起きやすいのでしょうか？

新興住宅地は緑豊かで、商業施設や学校などが近くにあることも多いです。ですので、子育て環境としてはとても適していると思われます。Tさんのように現在夫婦2人で暮らしているのであれば、そういった問題も気になるかもしれませんが、いずれお子さんができた時には、素敵なエリアだなと感じられるようになるのではないかと思います。

◆川本麻登（かわもと・あさと）アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター

（まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ）