とびきりスマイルの保護犬 海の近くで暮らす夫婦の家族に 届いた写真が伝える幸せな第二の犬生
人と目が合えば顔を近づけてきてご挨拶。カメラを向ければとびきりのスマイル。その屈託のない笑顔を見ているだけで、こちらもほころんでしまうような天使のようなワンコ、アースくん。
大の人間好きが伝わってきますが、実は保護された元飼い犬。諸事情で元の家族と離れ離れになり、広島県の保護団体、ピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)に迎え入れられることになりました。
■辛かった過去があるはずなのに、いつもニコニコ
保護犬のバックボーンは大きく分けて2つ。野犬として育ったワンコと元飼い犬のワンコです。野犬の場合、人馴れしていないことが多く、保護された後もスタッフになかなか心を開かないケースも多いのです。元飼い犬であっても、過去のトラウマなどから「また意地悪されるんじゃないか」「また怖い思いをさせられるんじゃないか」と警戒する場合も少なくありません。
しかし、アースくんは大好きだったであろう家族と離れ離れになったにもかかわらず、ピースワンコに来た当初からいつもニコニコ。スタッフをおおいに癒してくれるワンコでした。とにかく性格良好なお利口さんでした。
散歩なども大好きでスタッフに連れられるリードを引っ張ることはありません。スタッフの歩調に合わせて、元気にテクテク歩いてくれるのです。難点と言えば、他のワンコが少し苦手であること。フィラリア陽性であるため、新しい里親さんが迎え入れる場合、相応の治療を続ける必要があり、その費用もかかります。
あとはいたってお利口さんのアースくん。スタッフは、「こんなにかわいくて人好きのアースくんに、早く『ずっとの家族』を見つけてあげたい」と、ピースワンコの広島譲渡センターに移動。公式サイトでの告知はもちろん、譲渡会にも積極的に参加させ、里親希望者さんを募りました。
■譲渡会でもその笑顔で大人気に
譲渡会には様々な里親希望者さんが訪れます。アースくんを迎え入れることができない来場者にもまるで「来てくれてありがとうね!」と言っているかのように上機嫌で接し、多くの人たちを癒してくれました。
「うちで迎え入れたい」と手を挙げてくれた方がいました。海の近くに暮らす優しい夫婦で、アースくんに一目惚れ。体をなでられうっとりした表情のアースくんを見て、当の2人も満面の笑みです。
この時点でのアースくんは「人間大好き」なだけで、極度に甘えたり構ってアピールすることはありませんでしたが、結果的にこの優しい夫婦の家に迎え入れてもらうことになりました。見事幸せな第二の犬生の一歩を踏み出すことになったというわけです。
■海沿いを優しい夫婦と毎日楽しく散歩
現在、アースくんは空気のきれいな海沿いの道をあの笑顔のまま毎日散歩しているそうです。後日おくってくれた写真には、ピースワンコにいたころよりも飛び切りの安心した笑顔でたたずむアースくんの姿がありました。
ピースワンコの広島譲渡センターでは558匹目にあたる卒業となったアースくん。その笑顔のまま、いつまでも幸せに過ごしてね!
ピースワンコ・ジャパン
https://peace-wanko.jp/
(まいどなニュース特約・松田 義人)