「コーギー犬もいる!」珠洲市に派遣された捜索救助犬たち 自衛隊や消防と連携し、ボランティアで活動する姿に「涙が…」

能登半島地震発生に伴い、行方不明者の捜索を行うため、多くの救助犬が全国各地から被災現場に派遣された。自衛隊や警察庁に所属し「災害救助」などを行う警備犬以外にも、多くの救助犬団体から派遣された救助犬とハンドラーの方々が、現地で懸命な捜索救助活動を行なった。

「令和6年能登半島地震発災を受け、災害救助犬静岡は昨夜未明、6名4頭で能登へ向けて静岡を出発しました。現地では静岡県警と同行して活動を行います」

そうつぶやき、現地での捜索・救助の様子をX(旧Twitter)に投稿したのは、認定NPO法人災害救助犬静岡(@drdshizuoka)さん。

続けて、「陸路での移動が困難なため、陸自、空自、県警の皆様と連携してヘリにて珠洲市内に入っています。引き続き活動を行います」と投稿。大型犬であるラブラドールレトリバー犬に加え、ウェルシュコーギー犬も救助犬としてハンドラーの方々と共にヘリに乗り込み、被災地に向かう頼もしい姿に多くのコメントが寄せられた。

■コーギーも優秀な救助犬!

「コーギーもおるやん!みんな頑張って」

「こんなに小さなワンちゃんも活躍してるの知らなかった」

「本当に頭が下がります。ありがとう!健気なワンちゃん達をみると涙が出てきます。それしか言葉が見つかりません」

「ハンドラーさんも救助犬ちゃんたちもお怪我のないよう無事を祈っております」

温かな励ましの声のほか、寄付や支援で活動を行う認定NPO法人災害救助犬静岡さんに対して、「Amazonの欲しいものリストから支援しました」「少ないけど寄付をしました」というコメントも殺到した。

■大型犬だけでなく、小型~中型犬も救助に

今回、認定NPO法人災害救助犬静岡さんから被災地に派遣されたのは、6歳になるウェルシュコーギーの女の子、エマちゃん、10歳になるチョコレート色のラブラドールレトリバーの女の子、結夏(ゆいか)ちゃん、7歳になるイエローカラーのラブラドールレトリバーの男の子、ウィルくん、9歳になるイエローラブの男の子、アドくんの計4頭と、ハンドラーさん6名。警察や自衛隊、消防の方々と連携し、犬たちはハンドラーさんの指揮のもと、捜索活動を行った。

ラブラドールやジャーマン・シェパードなどの大型犬に加え、救助犬のなかには、コーギーやボーダーコリーなどの中~小型犬もいる。小柄な救助犬たちは、狭い場所や体重が軽い方が良い場所などの捜索に適しているという。

「コーギーのエマちゃんも体高が低いので、大型犬に比べて鼻の位置も低く、低いところの臭気に敏感に反応できます。また、人間が大好きな子なので、現地では待機中の救助隊員の癒しにもなっていました」(認定NPO法人災害救助犬静岡さん)

■「ここに人がいるよ!」

救助犬たちは、瓦礫の下などで助けを待つ生存者を探し出す訓練に加え、行方不明の方を見つけ出す訓練も受けている。

「今までも犬たちが、ここにいるよ!と教えてくれた場所では、ほぼ確実に救出に至っています。例え残念な形であっても……家族のもとに帰ってきてほしいというのが、ご不明者のご家族の心情であると考えます。私達『救助犬静岡』は、そのお手伝いを少しでも担えればと思い、活動をしています」(認定NPO法人災害救助犬静岡さん)

自衛隊や警察庁に所属する「警備犬」以外の捜索救助犬たちの多くは、訓練士や民間人であるハンドラーさん自身の愛犬だ。ハンドラーの方々は、大切な相棒であり家族の一員である犬たちの安全を第一に考えながら、過酷な状況のなか、助けを求めている人たちを探す。

「大型犬を飼い始めた時、周囲の人間や動物に危害を加えないように、自分の犬は自分でしつけたいと思い、しつけ教室で学び始めました。その際に案内されたのが、災害救助犬として訓練してみませんか、というお話でした。

今回もそうですが、今まで出動させていただいた被災地は、どこも甚大な被害が出ていました。初めて現場に到着した時は、すごいところに来てしまった…というのが正直な感想でした。しかし、日常訓練を積み重ねた犬たちは、ハンドラーの探せというコマンドで、最大限に鼻を使って人の匂いを探し求めてくれます。犬たちの姿にいつの間にか不安も吹き飛び、人も犬も無心で捜索に集中できます」(認定NPO法人災害救助犬静岡さん)

■災害大国、日本。でも多くの「災害救助犬」はボランティア

「令和6年能登半島地震」の捜索救助にあたり、「救助犬が足りない」という声もあがっていたという。だが、今回現地に派遣された救助犬団体のほとんどが、寄付や支援で活動を行うボランティアだ。

災害派遣出動時のガソリン代や高速道路代、捜索のための装備や日常の捜索救助訓練にかかる費用など、活動のための資金は決して小さくない。自然災害の多い国として、災害発生時に欠かせない救助犬たちの活動をサポートする体制を、大きく見直すタイミングに来ているのかもしれない。

※令和6年能登半島地震でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げます。一日も早い復旧復興と、被災された皆さまに平穏な日々が戻りますことをお祈り申し上げます。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

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