「舟唄」共に歌った、八代亜紀さんものまね芸人が楽屋話を回顧「手のひらは、こうやってやるのよ」…「本当に気さくで優しい方だった」
先月30日、73歳で亡くなった歌手の八代亜紀さん。テレビ番組で共演するなど、交流があったものまね芸人の「りょう」さん(32)も突然の訃報に肩を落とした。
八代さん、小林幸子さんら女性歌手のものまねを得意とするりょうさん。中学生の時に祖父の影響で八代さんの歌を聴き始め「なんてかっこよくて引き込まれるんだ」と大ファンになった。CD化されている音源だけでは飽き足らず、ネットオークションで古いレコードやカセットテープを収集。一人でこっそりものまねを練習していたという。父や祖父に連れられて行ったスナックで他の客からリクエストされ、「恋歌」「故郷へ…」などを歌ったのも良い思い出だ。
2011年にものまね芸人としてデビューしてからは、八代さん本人と共演する機会もあった。初めて楽屋挨拶に行った際には「さっちゃん(小林幸子さん)のものまねの子だよね!」と優しく話してくれ「若くて知名度もない自分にこんな風に接してくださるなんて」と感激したという。番組で初めて一緒に歌ったのは「舟唄」。うれしさのあまり涙が出そうになるりょうさんを見て、手をにぎりながら歌ってくれたことが印象に残っている。
■印象的な「おんな港町」
りょうさんは17年にフジテレビの「ものまね王座決定戦」で「おんな港町」を披露。あまりにも似ていると反響が大きく、その後の営業でもリクエストが絶えなかった。八代さん本人も放送を見て喜んでくれたといい「ものまね芸人として殻を破れた、そんな大切な一曲」と振り返る。
1カ所だけ、歌詞の「忘れたいのに」の部分で手の平を返す仕草のまねに苦戦していたりょうさん。八代さんのコンサートを観に行った際、開演前に楽屋挨拶をしに行った時にその話をすると「こうやってやるのよ」と親切にレクチャーしてくれたという。熱心に“指導”するあまりコンサートの開演時間が押してしまったとか。「本当に気さくで、温かくて、優しい方だった」と振り返る。
訃報には「また元気に戻ってきてくださると思っていた。信じられない」と肩を落とす。「素晴らしい歌でずっと虜にさせてくださって、感謝しかありません。ものまね芸人として、八代さんご本人もファンの方も温かく受け入れてくださり本当にお世話になりました。これからも八代亜紀さんの歌を大切に歌ってまいります」と話した。
(まいどなニュース・小森 有喜)