牛小屋で生まれた野犬の子犬 デーンと眠る家族の癒やしに 北海道育ちで雪大好き
テンちゃん(3歳半・オス)は、北海道厚岸の牛小屋の納屋で産まれた野犬の子犬だった。生後2か月くらいの時、その酪農家のところに出入りしていた家畜の獣医師が保護した。田舎では、去勢手術するために野犬を捕まえようとしているが、その間にもどんどん子犬が産まれてしまい、イタチごっこで大変だという。
神奈川県在住の早川さんは、もともと犬を飼いたいと思っていたが、留守にすることが多いと子犬の時期から飼うのは難しいので、 コロナ渦で休職しているタイミングで飼うことにした。
2020年5月頃、ジモティを見て見つけたのがテンちゃんだった。
「もともと犬好きですが、 外出や留守番を考えて猫を探していました。でも、 可愛い野犬の子犬を里親募集コーナーで見つけ問い合わせました。 遠かったので実際に引き取るところまでは踏み切れずにいたのですが、 少ししてまた問い合わせたところ、まだ里親を探していました。 保護主さんが、他の方より私に引き取ってほしいというようなことをおっしゃっていたので、我が家で 引き取ることにしました。」
■家族のセラピー犬
当時、早川さんは北海道に住んでいたのだが、現地までは車で片道6時間。往復12時間運転してテンちゃんを連れて帰ったという。
「まだ生後3ヶ月の子犬だったのと、 保護主さんのところの環境が良かったため、 新しい環境にも私たちにも怯えることなく、 うちに来てすぐにノビノビと過ごしていました。」
名前は、頭のテッペンに大きな点があるのでテンと名付けた。
テンちゃんは、おおらかで落ち着いている。怖いことはほぼ無く、 外に散歩に行くより家で寝ていたいタイプ。
「ドッグランに行ってど真ん中ででーんと寝るのが好きです。 北海道で1年育ったので、 雪の中を走ったり雪を掘ったりするのも好きです。水が嫌いなのに 水があることに気付かずに、ホテルの入り口などの噴水に落ちることがよ くあります。」
テンちゃんを迎えて、早川さんの暮らしは犬ファーストの生活にガラリと変わった。テンちゃんは、家族のセラピー犬として活躍しているという。
「先代犬のペットロスで悲しんでいた母も、テンに会うと嬉しそうにしてくれるので、私も嬉しいです。 犬に興味の無い父もとても可愛がってくれるので、その様子を見ているとほっこりします。」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)