不動産オーナー143人に質問 2人に1人が地震保険に必ず加入 「過去に保険に助けられた」
2024年1月1日に、石川県の能登半島を震源とする最大震度7の地震が発生し、多くの犠牲者が出ました。特に石川県輪島市では7階建てのビルが倒壊するなど、建物にも甚大な被害が出ています。
不動産投資プラットフォーム『楽待』を運営する株式会社ファーストロジック(東京都中央区)が、同プラットフォームの会員で、不動産オーナー男女143人を対象に「地震保険」に関する調査を実施したところ、投資用物件に対して、約2人に1人が「地震保険には必ず加入する」と回答したそうです。
調査は、2023年6月にインターネットで実施されました。
地震保険とは、地震・噴火・津波などによる被災者の生活の再建を支える目的で、政府と損害保険会社が共同で運営する保険です。火災保険に付帯して契約する保険のため、地震保険単独での契約はできません。この地震保険などの基準料率を算出する「損害保険料率算出機構」の調査(※)の調査によると、地震保険の保有契約数は年々増加しており、2022年3月末の保有契約数は全国で2121万5849件と過去最高となっているといいます。
(※)損害保険料率算出機構
https://www.giroj.or.jp/news/2023/20230614.html
不動産オーナー男女143人に対して、「投資用物件の地震保険についての考え方」を聞いたところ、半数以上の人が「必ず加入する」(55.9%)と回答、「できるだけ加入する」(24.5%)を合わせると、約8割が「投資用物件の地震保険に加入する」と答えています。地震保険に加入する理由として回答者からは、「地震が多いから」や「過去の地震で多額の修理代が発生し、地震保険に助けられたから」といった声が寄せられました。
一方、「加入しない」(できるだけ加入しない11.2%・加入しない8.4%)と答えた人は約2割となり、その理由としては、「費用対効果が合わない」「受け取り時の調査の基準が厳しそう」などの意見が挙がりました。
また、これまでに「地震保険の保険金を受け取ったことがある」と答えた人は15.4%。回答者からは、「壁面に小さなクラックが入り、5%の保険金を受け取った」(50代)、「基礎にクラックが入り、5%の保険金を受け取った」(30代)、「半壊で90万円の保険金を受け取った」(70代以上)といったコメントが寄せられました。
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なお、同社は地震保険の保険金や支払う保険料について以下のように解説しています。
「地震保険では、補償対象となる建物または家財が『全損:保険金額の100%』『大半損:保険金額の60%』『小半損:保険金額の30%』、または『一部損:保険金額の5%』いずれかの損害の程度に当てはまる場合に保険金が支払われれます(※)」
(※)財務省『地震保険制度の概要』
https://www.mof.go.jp/policy/financial_system/earthquake_insurance/jisin.htm
「保険料は主に、建物の『所在地』と『構造』によって決まります。物件の所在地が保険料に影響するのは、地域によって地震の発生頻度や保険料の支払い実績に差があるためです。また、建物の構造が木造であるか、鉄骨造・コンクリート造であるかによっても保険料の区分が異なります」
「さらに、建築年などに応じた割引制度があり、これを活用することで保険料の割引が受けられます。契約期間は1~5年の間で選ぶことができ、契約期間を長く結ぶことで保険料が割安になる仕組みになっています」
「補償内容については法律により定められているため、特約を付加しない場合はどの保険会社で契約しても変わりはありません。地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で設定でき、保険金額の上限は建物が5000万円、家財は1000万円までとなっています。ただし、一部の保険会社が用意する『地震保険上乗せ特約』と呼ばれる特約を利用する場合は、保険金額を火災保険と同じ額にすることも可能です」
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【出典】
▽楽待/能登半島地震で7階建てビル倒壊、不動産オーナーがとるべき地震への備えとは?
https://www.rakumachi.jp/news/column/312367