イマドキ受験生の半数以上「進学先での勉強内容を5年以内に使う」と回答 大学受験の変化が顕著に
大学入学共通テストを皮切りに受験シーズンが本格化します。全国の17~59歳の男女453人を対象に「人生100年時代における幸福と学びに対する向き合い方」をテーマに意識調査を実施したところ、17歳~20代前半までの”イマドキ受験生”の6割弱が「進学先での勉強内容を5年以内に使う」と回答し、卒業後の短期的な目標を叶えるために進学していることがうかがえたそうです。
株式会社Hakuhodo DY Matrix(東京都港区)のシンクタンク『100年生活者研究所』が、2023年11月にインターネットで実施した調査です。
まず、「受験した(またはこれからしようと思う)理由」について、受験を伴う進学をした(もしくはする予定の) 17歳~20代前半までの「イマドキ受験生」と、20代後半以降の世代とで比較したところ、特に「いい大学を出るといいところに就職できる」(イマドキ受験生72.9%・20代後半以降48.8%)は24.1pt差、「就職に役立つ資格や免許を取得したい」(イマドキ受験生72.9%・20代後半以降52.5%)では20.4pt差と、イマドキ受験生の割合が高くなり、イマドキ受験生のほうが就職を強く意識して進学した(またはこれからしようと思っている)ことが分かりました。
続けて、「進学先での勉強内容を活用したいタイミング」について、「卒業後5年以内に使いたい」と答えた割合をみると、20代後半以降の世代が43.1%であったのに対して、イマドキ受験生では57.1%と14pt高くなり、短期的な目標を見据えながら勉強していることが判明しました。
一方、「明確なゴールを意識していない」(イマドキ受験生23.3%・20代後半以降30.9%)と答えた割合では、20代後半以降の世代が3割を超え、イマドキ受験生よりも高い結果となりました。
さらに、「進学先で勉強する目的」について、「やりたいことを叶えるため」と「やりたいことを見つけるため」の2つの項目にどの程度当てはまるかを10段階で聞いたところ、「やりたいことを叶えるため」という項目に対して「9~10点」と回答した割合は、「20代前半」(56.7%)、「10代」(42.7%)などで多くなり、イマドキ受験生は自分のやりたいことを実現するために勉強している傾向が強いことが判明しました。
一方、20代後半以降の世代では、「やりたいことを叶えるため」という項目に「9~10点」と回答した割合はおおむね3割以下となり、「やりたいことを見つけるため」と同程度なったことから、将来の目指すべき姿を探しながら勉強に向き合っていることが特徴として見て取れました。
最後に、「100歳まで生きたいと思いますか」と聞いたところ、イマドキ受験生のうち「卒業後5年以内を見据えて勉強している」「やりたいことを叶えるために進学した」と答えた人の47.6%が「100歳まで生きたいと思う」(とてもそう思う19.3%・ややそう思う28.3%)と回答したそうです。
◇ ◇
調査を実施した同研究所は、「世代によって学びへの向き合い方が異なる背景には、社会環境の変化があると考えています。近年は転職が一般的になるなど多様な働き方が認められている『マルチルート』になっています。言い換えれば、卒業後でも色々なキャリアを築く余地があるからこそ、まずは短期的な視点で目の前の目標を叶えるために、“今”ほしいスキルを学ぶ場に変わってきていると考えています。この変化に従って、受験も単なるゴールなのではなく、“自分の未来と向き合い、アップデートするチャンス”と捉えられているのではないでしょうか」と述べています。
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