運動部学生は就活に有利? 学生が感じる利点と欠点「監督やコーチからの紹介がある」「部活動以外に活動をしていない」
株式会社マイナビ(東京都千代田区)が運営するアスリート向けキャリア支援サービス『マイナビアスリートキャリア』は、一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS/東京都千代田区)と共同で、「運動部学生の就職」に関する意識調査を実施しました。その結果、運動部学生の約7割が「就活に有利」と回答しました。また、有利だと思うことは「OB・OGに相談できる」が最多となり、部活動で得た人間関係にメリットを感じていることが分かったそうです。
調査は、2023年9月時点でUNIVAS加盟大学および加盟競技団体の運動部学生2499人(大学1年790人、大学2年731人、大学3年577人、大学4年387人、修士・博士課程8人、短大6人)を対象として、2023年9月~10月にインターネットで実施されました。
調査によると、就職活動を経験した運動部学生の72.1%が「運動部が就職活動で有利だと思う」と回答。「実際に有利だと思うこと」について複数回答で答えてもらったところ、「OB・OGに相談が出来る」(51.4%)、「部活内で情報共有ができる」(46.7%)、「監督やコーチからの紹介がある」(31.3%)などが上位に挙げられ、部活動内で得たつながりを活かせることが有利だと考えていることが分かりました。
その一方で、「就職活動に不利だと思う点」については、「シーズンと就職活動が被る」(45.3%)、「部活動以外に活動をしていない」(37.6%)、「説明会やイベントに参加できなかった」(23.9%)などいずれも運動部学生ならではの回答が挙げられ、就職活動に使える時間が不足していることを不利だと感じていることがうかがえました。
なお、就職活動経験者と予定者909人に「就活に関する情報収集先」を複数回答で教えてもらったところ、「学校のキャリアセンター」(46.7%)、「一般的な就職情報サイト」(36.0%)などが上位となったほか、「指導者(監督・コーチ)への人的ネットワーク」(19.8%)、「体育会系ナビなど、運動部学生向けの特設サイト」(17.4%)など運動部学生ならではの情報収集先も挙げられました。
次に、「運動部の活動を通じて身についた強み」について、全回答者に複数回答で答えてもらったところ、「礼儀・挨拶」(82.5%)、「コミュニケーション能力」(70.2%)、「上下関係の理解」(66.5%)などが上位に並び、競技レベルの向上を目指す中で、規律ある行動を求められながら、様々な人とコミュニケーションをとる必要がある運動部ならではの結果となりました。
一方、「就活を通して必要と感じた要素」では、「主体性(物事にすすんで取り組む力)」(63.0%)、「実行力(目的を設定し確実に行動する力)」(44.3%)、「課題発見力(現状を分析し目的や課題を明らかにする力)」(38.0%)が上位に挙げられ、身に付けた強みと実際に必要と感じる要素で乖離があることが分かりました。
最後に、「デュアルキャリア(仕事と競技の両立)」について聞いたところ、53.1%の学生が「知らない」と回答。他方、「知っている」と答えた学生は前年より8.0pt増えて47.0%となり、デュアルキャリアの認知度は向上していることが分かりました。