「災害救助犬に靴を履かせてあげて」の声が相次ぐも…捜索時に靴を履かせるべきではない理由 救助犬NPOの投稿が話題に
能登半島地震の被災地で活動する災害救助犬をニュースなどで見て「靴を履かせてあげないのか」「がれきで肉球が傷付いたら危ない」と指摘する声が、SNSでは散見されます。こうした声を受け、NPO法人「北海道災害救助犬」が1月17日にXを更新。救助犬が捜索時に靴を履かない理由を解説し、1.6万件以上のいいねが集まるなど話題になっています。
今回の地震でも、石川県珠洲市に救助犬4匹を派遣した同NPO。靴に関するさまざまな声について「泥、木材、瓦…など瓦礫はどれも犬の足裏には危険に見えるので、靴を履かせて欲しいと思われるのは無理がありません」とした上で「靴、場面によっては首輪さえ、犬自身を危険にさせてしまうこともある」と説明します。
■足の裏が果たす重要な役割
犬にとって足の裏は、体温調節をしたり、地面の感触から情報を収集したりする重要な役目を果たすといいます。体のバランスを取り、グッと爪を立てて踏み込むこともあります。そのため捜索時に靴を履かせると、重要な情報源が遮断されてしまうばかりか、気が散ってしまうことにもつながります。首輪についても、どこかに引っ掛かる危険性があるため外しているということです。
なお、災害現場に救助犬が赴く際にはNPOが事前に現地の状況を入念に確認し、必要があれば捜索場所までの移動では靴を履かせて移動するケースもあるということです。救助犬の認定試験でも靴を嫌がらずに履いて歩行する項目が含まれています。今回の珠洲市への派遣でも、4匹それぞれの足のサイズに合った靴を携行していたそうです。
同NPOはXの投稿で「救助犬達はハンドラー(※編集部注…指導手のこと)の愛犬でも有るので、皆さんがご自身の愛犬のように、心配してコメントくださった事、とても嬉しく思います」「これからも安全に活動してまいります、ご理解と応援を宜しくお願いします」としています。
(まいどなニュース・小森 有喜)