子ども番組で緊急地震速報「テレビ見るのに邪魔」と5歳児 災害情報伝える意味、どう説明する?母親が伝えた言葉とは

幼い子どもに「災害」をどう理解させるべきかー。家庭でのとある出来事を伝えたXの投稿が「考えさせられる」と1.3万件以上のいいねを集める話題になっています。能登半島地震の被災地から離れた地域で、テレビ番組の途中で流れる緊急地震速報を見て、5歳の子どもが「邪魔でテレビが見られない」とつぶやいたそうです。お母さんはとっさに災害とはどういうものか、情報を伝えることがいかに大切かを我が子に伝えました。

この出来事を投稿した原田智恵さんに話を聞きました。NHKの子ども向け番組を見ている最中に緊急地震速報が流れ「これがあると邪魔でテレビが見れないんだよね」とお子さんがつぶやいたそうです。

「聞いた瞬間は正直、なんて酷いことを言うのとびっくりした」と原田さん。しかし普段と変わらないお子さんの表情を見て「ああ、地震が起こることによってどうなるのか、人にどのような影響が出るのか分からないんだ」「知らないが故に想像ができず発言に至ったのだ」と思い、頭ごなしに叱ることはしなかったそうです。

原田さんはまず「地震があるから危ない、って知らせるためだから大事なんだよ」と伝えました。さらに画面に出ている日本地図を指しながら「あなたのお家はここで、地震はここ」と説明。お子さんは「お家がある人のところだけ(速報が)出ればいいのに」と疑問を感じたようでしたが、「お家がなくても、そこに大事な人がいる人もいるんだよ。だから、そこにお家がなければ地震のことを知らなくていいとはならないんだよ」と伝えたそうです。

さらに「もし地震があったところに、じーじとばーばのお家があったら?」と問いかけると、お子さんからは「じーじとばーばがケガする」という答えがありました。具体的に想像をさせたところで、この会話を終えたそうです。

この出来事と、親としての思いをXに投稿した原田さん。反響では「子どもの目線できちんと伝えるべきことを伝えていて、我が家でもこうしたい」「子どもは何でも素直に考えるから発言の一つ一つに対して良い悪いではなく丁寧に伝えてあげることが大事。これが躾だなと思う」といった声が寄せられました。

原田さんによると、お子さんは幼稚園で毎月避難訓練をしており、以前に地震があった時も「地震のときは机の下に隠れるんだよ」と話したそうです。そのため地震については理解をしていると思っていたそうですが「今回の出来事があって、この子は地震は揺れるものということは知っているけど、“揺れて終わり”の地震しか知らないんだ、と気づかされました」と話します。

「知っているよね、分かっているよねという思い込みはいけないと親として反省しました」「知らない、ということは失礼なことを言ってしまうことにも繋がりかねません。だからこそ親として伝えていくことが大事だと感じました」と話しています。

(まいどなニュース・小森 有喜)

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