ガレージの猫一家を保護せよ! 過酷ミッションに「もうやりたくない」と苦笑いのスタッフ 成長する姿に苦労が報われる

2022年5月下旬、とある民家のガレージに母猫と4匹のきょうだい猫が住み着くようになりました。民家の家主は優しい人で、追いやるようなことはせず、行き場を失った猫たちを幸せへと導いてきた団体、LOVE & Co.(以下、ラブコ)に相談。スタッフは快諾し民家に向かいました。

■糞尿・カビの匂いの中で延々続ける片付け作業

民家では猫たちが逃げ出さないように、家主がガレージの前で立って待ってくれていました。対応に感謝するスタッフでしたが、そのガレージを見て愕然とします。

とにかく物が山積み。もともとはガレージだったとおぼしきそのスペースは、現在は物置になっており、あらゆる物が雑然と積み上げられていました。捕獲器を設置できる隙間さえありません。まずは上に積んであるものを片付けていく作業から取り掛かることになりました。

途中で、隙間に子猫2匹を発見。機転をきかせたスタッフは洗濯ネットを用意し、なんとか捕獲することができました。しかし、残りの猫たちが全然見つかりません。母猫も含めて、その子猫も絶対にこの中にいるはずで、ひたすら物を片付けていく作業を黙々と行いました。

猫一家による糞尿の匂い、カビの匂い、ときどき遭遇する虫や埃。スタッフは根気強く丁寧に片付けていきました。乱暴に物の山を片付けると、最悪猫たちが下敷きになってしまう恐れがあるからです。

■猫ファミリー全員無事捕獲!

慎重な作業にもかかわらず、物と物の間から飛び出してきたお母さん猫を逃してしまいました。他にやりようがなかったため、お母さん猫は後で捕獲することにしました。引き続き片付けていると、隙間に2匹の子猫を発見。なんとか無事に捕獲することができました。

4匹の子猫を保護したところで、捕獲器を設置して退散。捕獲器にお母さん猫がかかったら連絡をしてもらうよう家主さんにお願いしました。

■きょうだい猫4匹はいつまでも母猫にベッタリ

スタッフは4匹の子猫を連れて動物病院へ。オールキジトラのオスで、馴れない人間を前に、みんなで固まっています。結膜炎があったり猫風邪を患う子猫もいましたが、幸い重篤な持病の子猫はおらず、スタッフは胸をなで下ろしました。ノミダニ駆除の薬、3種ワクチン、お腹の虫の駆虫薬の投与も受けました。

翌日には母猫も捕獲器にかかり、あのガレージにいた猫ファミリーをすべて保護することができました。

しばらくラブコのオフィスの一室をこの猫ファミリーの部屋として与えていましたが、この一家の絆が強すぎて、4匹のオス猫たちは全匹母猫にベッタリ甘え続けました。

その様子もかわいいですが、今後新しい里親さんの元へと繋ぐためには、このままではいけません。後に人馴れ修行、猫社会の学習をさせるために、それぞれバラバラにスタッフの家で合宿することになりました。

猫の保護活動は尊いものですが、ここまでの経緯から、とても大変な活動でもあることがよくわかります。ラブコのスタッフは「猫の捕獲でなければ、荷物だらけの場所の片付けとかはもうしたくないです」と笑って話してくれましたが、後に、この猫ファミリーが成長していってくれる様子を前に「労われる気持ちになる」とも教えてくれました。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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