住宅ローンを利用予定している人の9割超「支払いに不安がある」…「固定金利」と「変動金利」どちらを選ぶ?
株式会社LIFULL(東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サービス『LIFULL HOME'S』は、5年以内に家を購入する予定があり、かつ住宅ローンを利用予定の658人を対象に「住宅ローン」に関する意識調査を実施しました。その結果、9割以上の人が「住宅ローンの支払いに不安がある」と回答しました。また、今住宅ローンを組むとした場合、「変動金利」と答えた人は約2割、「固定金利」は7割弱となったそうです。
調査は2023年12月にインターネットで実施されました。
まず、「今後1年間の不動産価格の見通し」について聞いたところ、2人に1人が「上昇すると思う」(55.5%)と回答。一方、「下落すると思う」(6.1%)と回答した人は1割にも満たず、厳しい見方をしている人が多いことが浮き彫りとなりました。
さらに、「今後1年間の住宅ローンの見通し」については、約7割の人が「上昇する」(ゆるやかに上昇する52.4%・何かをきっかけに大きく上昇する16.9%)と予測していることが分かりました。
次に、「住宅購入」に関しての考えを複数回答可で答えてもらったところ、「住宅ローン金利が上がる前に買いたい」(44.7%)や「住宅ローン控除(減税率)が変わらないうちに買いたい」(42.1%)など、住宅ローンに関する回答が上位を占めました。
「住宅ローン金利が上がる前に購入したい」と回答した割合を世帯年収別にみると、「400万円未満」は37.3%、「400万円以上1500万円未満」は40%台だったのに対し、「1500万円以上」では73.8%にまで増加。この結果について同サービスは、「世帯年収の高い家庭ほど高額な住宅を買う可能性は高く、それが故に住宅ローン金利の少しの変動でさえも大きな影響が出ると感じているのかもしれません」と推察しています。
また、「住宅ローンの支払い」については9割以上の人が「不安がある」(大いに不安がある65.0%・やや不安がある28.7%)と回答し、円安に起因する物価上昇など、日常生活を送る上での不安が大きいことも住宅ローンの支払いに対する不安を煽っていることがうかがえました。
そこで、居住地別に「住宅ローンを検討したい金融機関」を複数回答可で答えてもらったところ、関東・近畿では「メガバンク」(65.4%)、「ネット銀行」(56.4%)が上位を占めた一方、関東・近畿以外では「ネット銀行」(50.2%)、「メガバンク」(48.6%)、「地方銀行」(48.0%)などに回答が集まっています。
また、今住宅ローンを組むとした場合、「変動金利」と答えた人は22.5%、「固定金利」は67.0%となりました。なお、「変動金利」と答えた人のうち、過半数が「1.5%まで」(29.1%)、「1%まで」(25.7%)を選択。一方、「固定金利」と答えた人では、「2.5%まで」(39.7%)、「3%まで」(36.3%)などが多くを占めました。
現状の金利は変動が0.3~0.5%、固定が1.4%~2.0%前半程度であることから、大きな上昇は許容できないと考えている人が多く、金利の変動が住宅購入に大きな影響を与えていることがうかがえる結果となりました。