「放置子」からタゲられたら→「逃げろ!罪悪感は持つな!」元放置子からの助言が衝撃 対応に困惑する親たちへ
近年、親からの虐待や無関心で育児放棄された「放置子」に関するトラブルが社会問題となっている。
異常に人懐っこく、時間に関係なく外で1人で遊んでいる、突然家に来る、何度断っても敷地内に侵入したり家のなかに上がり込む、家に入ろうと執拗にドアフォンを鳴らす、他人の家の冷蔵庫を勝手に開ける、食事やおやつをせがむ、外出に同伴しろと要求する、などが「放置子」の特徴としてあげられる。
一見、「子どものすることだから」と見過ごしそうな特徴だが、「放置子」から一度「ターゲット」にされると、大きなトラブルに巻き込まれるという。先日も「放置子」とトラブルになったというポストがX(旧Twitter)で注目を集めた。
「放置子」対策として、徹底的な「拒絶」と「行政への報告」が推奨されている。しかし、そういった対応に罪悪感を抱く人も多い。そんな現状に対して、自身が「元放置子」だというじんちゃん(@JIN_ADD)さんが、赤裸々な告白と予想外の「放置子」対策をXに投稿。大きな衝撃が走った。
■他人の愛情を乗っ取ろうとする「放置子」
「元どこに出しても恥ずかしい放置子だった私。すごく恥ずかしい告白になるんだけど、この問題児と同じことしてた。放置子側から、されてしんどかったことを書き出したいと思う」
「まず、放置子は愛情不足で、よそ様の親御さんからの気遣いやお世辞を愛情と受け取り、乗っ取ろうとします。なので、親御さんが実子に愛や時間や金をかけると“うらやましい、ずるい”等が出てきます。ここで認知が歪んでいるのは、他人の親に愛されてると勘違いしてることです」
「だから、お前だけずるい等の言葉が出たり、お出かけにタダ乗りして、実親にできない甘えやワガママを他人の親にします。ここまでが前提。以下対処方法」
「■いろんな体験や経験をさせたいのは愛してる実子にだけ。お前は愛してない。と伝える」
「■ずるいと思うなら自分の親に頼め。ウチは一切応じない」
「ドアガチャピンポンは通知オフにするか出かけるか完全無視。数時間粘ることもあるかもしれないけれど、その時は児相に連絡。自分の子供だけを愛してる。子供をずるいなどととがめることを言うなら家に出禁、友達もやめてもらう等、毅然とした態度で、一貫して伝えてみてください…頑張ってください…」(※児相=児童相談所)
「私は早期リタイアの父と専業の母がいての放置子です。放置子の親は基本ヤベーので直接やりとりしないように。会話が成立しません。放置子に哀れみの気持ちを持つとタゲられます。全力で逃げて。どうか罪悪感に苛まれないでください。私はタゲ先のこと微塵も覚えてないです」(※タゲ=ターゲット)
■「放置子」はトー横キッズの予備軍
さらに、中高校生の「放置子」の実態についてもXで言及。
「私は小さい子の放置子対応だけ書いてましたね。放置子のその後とかも書いておきますね。放置子は家にいられないタイプ(私)と、家にいても暇なので外に繰り出すタイプがいます。そうすると、順当に溜まり場が完成します。早い子は小1から(私)。なにもたまり場は同級生の家だけではありません」
「私は、猫をたくさん飼っている親切なお姉さんの家や、エロ本がたくさん落ちている薄汚れたおじさんの家でもたむろしていました。上記の家に関しては、普通のご家庭の親御さんからの苦情が入り、子どもたちは出禁になりました。居場所が奪われました。なお、この頃もちろん性被害に遭ってます(当時無自覚)」
「そうして年齢を重ねていくにつれ、だいたい放置子先輩の家が主な集会所になりますね。金のある放置子より圧倒的に金のない放置子ばかりなので、悪事に手を染めます。あと性的な興味関心好奇心で暇つぶしもします。放置子仲間は妊娠して子供産みました」
「私はその頃転校し、友人に恵まれ、ルート分岐し、なんとか矯正が間に合ったような気がしますが、暇を持て余し刺激を求めている人たちなので、良いことをする訳ありません。今の時代なら、私はトー横にいた可能性もありますね」
■結論「逃げろ」
じんちゃんさんは続けて、我が子が「放置子」と仲がいい場合のアドバイスを投稿。
「スマホを持つ年頃まで仲が良いと、負けます。いろんな悪事を覚えた子の餌食になります。なんとかしてその子以外の仲良しの子を作ってください。放置子が囲って洗脳してる可能性もあるので、学校外での関わりを増やすことを推奨します。放置子、洗脳してきますよ。聴き取り頑張ってください」
そして、「聴き取り」の詳細についても投稿。
「(我が子に対して)真っ向から、お前は洗脳されてる!なんて言ったらダメなので、放置子と遊んでどこが楽しかった?ちょっと困ったこととかあった?の聞き取りから始めて、他の子だと困ったことがないならその子たちと遊んでおいでよ、と促す必要があるかと。洗脳or子分化させるんで、放置子は」
「元放置子」だったからこそ言える、「罪悪感を持つな/関わるな」というじんちゃんさんのアドバイスに対し、それでも、親からのネグレクトで「放置子」となった子どもがかわいそう…という、同情の声も多く寄せられた。
「放置子が可哀想、という文言をたくさん見かけました。成長した放置子は非常にタチが悪いことをご理解ください。可哀想だから可能な限りサポートしてあげたい、という憐憫の気持ちは大変結構。優しい方ですね。しかしそれは、(自分の)子供を生贄に差し出す行為だということと同義だと、私は思います。結論、逃げろ」(じんちゃんさんのXの投稿より)
■本当のターゲットは「よその親」
また、これから「放置子」と遭遇する可能性のある若い親たちに対しても、じんちゃんさんはこんなアドバイスをXに投稿している。
「まだ全然放置子とか関係なさそうなばぶちゃんのママさんへ。よく行く公園によくいる、年齢が離れているのに遊ぼう遊ぼうと誘って来る子は高確率で放置子です。同年代はもう相手にしてくれないのでタゲをママにして、ばぶちゃんのポジションを奪いに来ます。時間帯変えようネ」
「最後に。今回は放置子の思考回路や子どもに降りかかる影響などをメインに書きましたが、それでも手を差し伸べたいとおっしゃる優しい方のなんと多いことか。それならば、いつどんな被害(金銭物理精神)を受けたかメモを取り、定期的に児相に通報してください。放置子は福祉で救われます。間に合えばですけど」
■転機は「引っ越し」「新しい友人」「読書」
「元放置子」であるじんちゃんさんの一連の告白とアドバイスに対して、「放置子にも優しくして、とか言うのかと思っていたら、すごくキッチリ対応策を教えてくださっていた」といった驚きの声も多く寄せられた。
その後、「人を思いやり、心を割くということを知り、同時に自分の親が異常だとも理解した」と、Xにポストしていたじんちゃんさん。転機のきっかけは、「引っ越し」と「新しく出来た友人」と「読書」だったという。
「自分の常識は他人の非常識なのだということを理解してから、ひたすらサバイバルしていました。積み上げてきた常識をすべて疑い、常に周囲を観察し、人はどのような時に相手に好意を抱くか、嫌悪を示すかなど学びました。読書は大変役に立ちました」(じんちゃんさんのXの投稿より)
自分を大切にしてくれる方と出会い、可愛い子どもたちにも恵まれたじんちゃんさん。「元放置子」だったからこそわかる「放置子」の現状と対応法について、お話を聞いた。
■「放置子」にとって悪事は「娯楽」
ーー「罪悪感など感じないで」というアドバイスは衝撃でした。ただ、毅然とした対応をした場合、「放置子」からの報復が心配です…。
「最初の頃は拒絶されると、なんでなんで!?と癇癪を起こした記憶があります。でも次第に拒絶されることに慣れ、すぐ諦めるようになりました。数打てば当たる。そのうちに拒否や拒絶の空気を肌で感じるようになり、逆にイケそう!という手応えも覚え、猫屋敷に住むお姉さんなど、年齢が全く違う人を引っかけることができるようになったと思います。まるで飛び込み営業ですね。相手側の対価は何もないどころか、こちら側がむしり取ってばかりでしたが…。
報復の有無については、『放置子』は幼稚で憐れな生き物なので、次の機会への期待を捨てられないので、基本的にスッと引いてました。あまりにもガツンと怒ってくるお宅に対しては、男の子がよくピンポンダッシュをしていました。私は足が遅いのでしませんでしたけど。もし足が速かったらやっていたと思います。なにぶん放置子は娯楽に飢えてますから、ピンポンダッシュなどという、匿名型でスリルのあるゲームはなかなかないですからね」
■どんな女の子も性的虐待の対象になる
ーー社会問題になっているトー横や、大阪のグリ下(グリコの看板のある橋の下)に集まるキッズも、多くが「放置子」と言われていますね。
「彼ら彼女らは放置子のなれの果て、または、別の虐待から逃げることができた、生きるためにサバイブしているソルジャーだと私は思っています。大人たちが救わなかった被虐待児たちは頑張ってあそこに辿り着き、似たような境遇の子らと傷を舐め合い、泡沫の夢を見ているのだと思います。
現在虐待にさらされている子どもたちにとって、トー横は桃源郷かユートピアに見えていると思いますよ。飢餓や暴力などに怯えることがないし、一方的な搾取からも解放され、傷を舐め合える仲間がいて、生きる術を教えてくれるんですから」
■弱みにつけこんできた大人
ーー当時の自分や、自分を救ってくれなかった周囲の大人に言いたいことはありますか?
「周囲の大人に伝えたいことは特にありません。個人単位で出来ることは何もないですから。もし当時の自分のような子に何か言うとしたら……今誰が何を言っても響くことはないでしょうけど……女の子はどんなにボーイッシュな格好をしていても、地味な格好をしていても、性的被害に遭います。でもそれは加害者が完全悪で、被害に遭われた子には何ひとつ責任はありません。
当時の私は、誰かに構って欲しくてなりふり構わず手当たり次第に話しかけたり、周囲に相当な迷惑をかけたと思います。そのことはお詫びしたいですが、無知な私に局部を触らせてきたおじさんに対しては……絶対に許せないです」
◇ ◇
■個人で出来ることは「逃げること」
親からの育児放棄や虐待により生まれる「放置子」。しかし、その親もまた「放置子」だった可能性があるなど、問題は想像以上に根深い。生半可な善意で「放置子」の負の連鎖に関わることは、自分自身の大切な子どもや生活を失うような大きな危険が伴うことを、絶対に忘れてはならない。
今回の取材に対して、決死の告白と助言を投稿した「元放置子」のじんちゃんさんは、「放置子は、皆さんに罪悪感を植え込んでコントロールしたり、勝手に期待して勝手に裏切られた気持ちになって攻撃し、自尊心や自己肯定感を削っていく。それはやがて皆さんの大切な子どもに降りかかります。絶対に、逃げて!」と、強く訴えた。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)