赤ちゃん連れでの避難所生活…夜泣きへの効果的な対処法は?専門家がアドバイス
能登半島地震を受け、赤ちゃんを連れて避難所で生活する人の参考になればと、夜泣きへの対処法を専門家が紹介した投稿が話題になっています。
投稿したのは、NPO法人赤ちゃんの眠り研究所が認定する「乳幼児睡眠アドバイザー」の資格を持つ原田智恵さん。「赤ちゃんのねんね相談」代表として、これまで千件近く相談を受けてきました。
原田さんは睡眠と光の関係性を考えることは大切だとし「可能であれば午前中に親子で日光浴することが望ましい」と話します。ヒトの体内時計は通常、24時間周期より長くなっていることが研究で明らかになっていますが、朝に強い光が目に入ることによって体内時計が短くなる性質があるといいます。日光浴によって24時間周期とのズレが修正される、というわけです。
原田さんは「避難所生活では疲労からかずっと屋内で過ごしている方もいると聞きます。生活リズムの乱れによる睡眠の問題を抱える乳幼児さんも少なくなくないため、状況にもよりますが、可能な範囲で朝から午前中にかけて日光浴をしてほしい」とします。
■授乳ケープやタオルも活用可能
また、夜間の避難所が明るくて寝付けないというケースも想定されます。乳幼児の場合、授乳ケープやバスタオルを保護者の首に巻き付け、簡易的に光と周囲の刺激を遮断してすることも一つの対策だといいます。なお1歳未満の場合は、顔への覆い被さりの懸念があるため「保護者が起きている環境下での活用が望ましい」と原田さん。保護者が眠る時間帯であれば「お子さんが寝ついて10分ほど経過し深い眠りに入ったタイミングで布を外すなどしてほしい」と話します。
また、体温のケアも重要です。ヒトは体の中の温度(深部体温)が下がってリラックスすることで寝やすい状態になります。寒い環境であれば手足を温めることで末梢血管が拡張し血流が促進され、手足から熱が放散され深部体温が下がります。逆に暖房が効きすぎて暑い場合は、手足を涼しくすることが望ましいといいます。
低月齢の赤ちゃんに関して、普段から1番多い相談が「抱っこで寝かせてあげたいけど寝床におろすと背中スイッチで起きてしまう」というもの。まだモロー反射がある時期のポイントは「首を後ろに倒さない」「体を密着させたまま寝床におろす」だそうです。
原田さんは避難所での集団生活について「夜泣きをしている親子が周囲から責められてしまったり、迷惑をかけてしまうことを懸念して肩身の狭い思いをされたりしているケースも伺います。避難所生活でできることは限られてしまいますが、少しでも睡眠の問題の軽減に繋がりますように」と話しています。
(まいどなニュース・小森 有喜)