「自分の階にエレベーターが停まらない」憧れのエリアに住めたけど…スキップフロアの中古マンションを4800万円で購入した20代夫婦の後悔
マンションを選ぶ際に、皆さんはどういったポイントを重視しますか?憧れのエリアに住んでみたいと思う方もいるかもしれません。立地は住宅選びではかなり重要ですが、立地にこだわりすぎると選べるマンションの幅も狭まってしまいます。長い目で探すのならいいのですが、少ない選択肢の中から妥協して購入してしまうと、住んでから悩むことがあるかもしれません。
■憧れのエリアに絞って…
Yさん(20代女性、関東在住、派遣会社事務員)は夫(20代、コンサル会社勤務)と結婚して、家を探していました。
最初は賃貸でも良いかと思ったのですが、Yさんの職場の同僚から「賃貸に払う家賃と住宅のローンはあまり変わらない」という話を聞いたので、マンションを購入しても良いのかなと思い始めました。
Yさんが家探しで最重視していたのは「立地」です。おしゃれなお店やカフェが立ち並び、緑も豊かで駅もあって交通にも困らないという、Yさんの憧れのエリアがあり、そこに住みたいと思っていました。
予算は貯蓄、借入を合わせて5000万円ほどを考えていましたが、新築マンションは最低でも6500万円以上と金額的に難しかったので、リノベ済みの中古マンションを内覧しました。
いざ見てみると、デザインや収納が工夫されており、快適に住むことができるイメージがつきました。エリア重視で探していた事もあり、良いマンションはここしかなく、早く一緒に住む場所も決めたかったので、少し決断が早いかな?と思いつつも、4800万円でマンションを購入しました。
■スキップフロアのマンション
住み始めて、半年くらい経ちますが、やはり「不便だったな」と思うことは何点かあります。
一つ目は、購入する前から分かっていたことではありましたが、エレベーターが自分の部屋に停まらない、「スキップフロア」のつくりだったということです。
住んでいる部屋は7階なのですが、近くの階ではエレベーターは6階にしか停まりません。一階下の階で降りて、その後階段を登る必要があり、重い荷物を持っていると大変です。将来子どもができたら、ベビーカーも階段で運ばなくてはならず、さらに大変になりそうです。
もう一つは、通路側の部屋には室外機を置くことができないルールになっていたことです。そのため北側の部屋は、室内機と室外機が一体になっていて窓に付けるタイプの「窓エアコン」を使っています。
この部屋は今は荷物置きに使っていますが、将来的には子ども部屋にするつもりだったので、ルールを知ったときにはとても残念に思いました。ほかにも中古マンションなので、共用部分が古めかしい感じがしたり、オートロックがなかったりといった不満点があります。
「今は満足していますが、マンションを購入する前には、子どもができたらどうなるのかなど、自分の今後の生活を長い目で見ていく必要があったなと思います」とTさんは振り返っています。
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立地重視で、妥協した物件を選ぶというケースはよくあるのでしょうか? アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介も担当している川本麻登さんに聞きました。
■立地重視で物件を探す場合は、時間をかけて探して
ーースキップフロアはマンションではよくあるのでしょうか?
スキップフロアというエレベーターが停止しない階があるマンションはあります。だいたいのマンションが上下一階以内には停まるので、あまり気に留めない方も多くいらっしゃいます。ただ、階段の移動は毎日のことになりますので、問題がないか考えてみることが大切です。
ーーTさんは憧れのエリアにしぼって住まいを探されていました。
立地重視で探す方ももちろん多いです。しかし、マンション購入は一生に一度の買い物になるかもしれません。理想の立地に、100点に近いマンションがすぐ見つかるとは思えないので、そういう方には、長い期間をかけて探すことができるか聞いています。
もし、Tさんのように急いでで住むところを探す必要があったのであれば、一度賃貸を借りるなどして、購入する物件についてはゆっくり探したほうが良かったかもしれません。
◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター
(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)