孤独死した飼い主に、1週間も寄り添った猫を保護、目が合うだけでゴロゴロ「愛情をたっぷり受けていた」
「猫を保護してほしい」
孤独死した人物の飼い猫について、遠方の親族から犬猫保護団体「毛玉のおうち」(東京)に保護依頼がきました。猫の名前は、れんこんくん。1歳の男の子です。
一人暮らしをしていたという飼い主さんは、自宅で亡くなっているところを警察に発見されました。司法解剖の結果、亡くなって1週間ほど経っていたとのこと。発見時、れんこんくんは、動かない飼い主さんの横で寄り添い丸まっていたといいます。
「1週間生き延びられたのは、大袋のフードを自力でかみ破り、食べていたそうです。お水は、おそらく飼い主さんが用意したのであろうバケツいっぱいのものを飲んでいたと聞いています。何とか飢えをしのぎ、1週間で見つかって本当に良かったです」(毛玉のおうち)
れんこんくんは、まん丸の5キロほどの大きな黒猫。とても人懐っこく、甘えん坊さん。X(旧Twitter)で里親さんを募集したところ、すぐに見つかり、トライアルを経て正式に里親さんのところに譲渡されました。
「目が合うだけでゴロゴロ喉を鳴らしながら抱っこをねだり、腕に抱きついてくる子です。去勢手術をした後の甘えっぷりは尋常じゃありませんでした。体格もふくよかで、とっても甘えん坊なので、飼い主さんからの愛情をたっぷり受けていたのでしょうね。動かない飼い主さんのそばにいたのは、きっといつか目を覚ましてくれると信じていつものようにかわいがってくれるのを待っていたのでしょう…」(毛玉のおうち)
愛してくれた飼い主さんはいなくなってしまったけれど、今は優しい里親さんの元で「れんこんくん」から「レガくん」という名前に変わり幸せに暮らしているそうです。
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■飼い主が動物保護センターに持ち込んだ「悪性リンパ腫」の犬 保護団体が引き出し病院で「余命1カ月」と宣告
動物保護センターから「毛玉のおうち」にお迎えしたという、雑種犬の桜花(おうか)ちゃん(雌・9歳)。悪性リンパ腫で、センターから引き出した後に連れて行った病院の獣医師から「余命1カ月」と告げられました。同センターにいたのは「元飼い主さんが『悪性リンパ腫』と申告してセンター持ち込んだ」とのことでした。
「元飼い主さんが持ち込んだ理由は、個人情報のため詳しくは教えてくれませんでしたが…病名を申告されていたので、おそらく『がんだから…』と治療を断念した可能性があります。だからといって、センターに持ち込みすぐに殺処分など余命をまっとうできないのは悔しいです。せめて最期まで治療を尽くし私たちが看取ってあげたいと思いました」(毛玉のおうち)
桜花ちゃんは「余命1カ月」と告げられましたが、治療を受けながら「毛玉のおうち」で闘病生活が始まりました。
「全身にボコボコと多数の腫瘍がありました。首の腫瘍は猫の頭ほどの大きさで、傷ついては治っての繰り返し。触ると痛みを思い出すのか、かむ素振りを見せていました。そこで、センターから引き出してからステロイド治療を開始。首の腫瘍が小さくなってきたところで、手術をして腫瘍を切除したんです。ついでに頭のてっぺんにあった腫瘍も取りましたが、足の付け根のリンパ節4本全てに転移してしまっています。ただ手術で首の腫瘍を取ってからは、首元を触っても怒らなくなりましたね。また抗がん剤治療1日目で副作用が強く出てしまったため、2回目以降は抗がん剤治療をせずにステロイド治療のみの方針となりました」
動物保護センターから引き出してから3カ月が経過。余命1カ月も超え、今も治療に耐えながら桜花ちゃんは頑張って生きているといいます。
「現在、様子をみながらですが、わりと安定しています。食欲旺盛な日もあれば、全然食べてくれず、水も飲まない日もありますが…このまま最期まで毛玉のおうちにいてもらうつもりです」
そんな闘病生活を送っている桜花ちゃんは、おっとりのんびりしていて人懐っこいとのこと。なでて欲しい時や、甘えたい時はお手をしてアピールしてきてくれる、とてもかわいいワンちゃんだそうです。
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「毛玉のおうち」は、現在譲渡前のケアが必要な犬猫の居場所をつくるためにシェルター開設を目指してクラウドファンディング(CAMPFIRE)に挑戦しています。お問い合わせは、「毛玉のおうち」Xアカウント(@hazukinana1)のDMまで。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)