2023年8月中旬。ゴミ置き場に子猫のきょうだいが迷い込んで住み着いていました。不衛生でその場所は千葉県内の国道沿い。万一、子猫がゴミ置き場の外に飛び出せば、自動車にひかれてしまう恐れもあります。

想像しただけでもゾッとしますが、子猫のきょうだいの存在を知った心ある人たちの連携で小さな命を救うことができました。

■発見者→警察→保護団体が連携し子猫きょうだいを救う

この子猫のきょうだいを発見したのは通りかかった人。ゴミ置き場近くの国道の脇でひょっこり現れたのを見て、「子猫がこんな場所にいたら危ない」と警察、保護団体に連絡しました。ほどなくして警察官が現場に来てくれました。子猫が車道に飛び出さないよう、驚かせたり刺激したりしないよう見守ってくれました。

間もなく駆けつけたのが、千葉県我孫子市を拠点に行き場を失った猫の保護活動を行う団体、ねこ友会のスタッフ。見守ってくれた警察官にお礼を述べ、やはり子猫を刺激しないよう慎重に接し、無事この子猫を保護しました。穏やかなオスの子猫で、ケージに入れても落ち着いている様子。まずは一安心です。

■残りの3匹も無事保護！

しかし、他のきょうだいの姿が見えませんでした。仕方なく現場から退散したねこ友会のスタッフですが、それから2日後、きょうだいの保護に現場に向かいました。

この日は、他のきょうだい猫3匹を無事に保護することができ、4匹をねこ友会で世話することにしました。きょうだいにつけてあげた名前はそれぞれ「金くん」「銀くん」「財くん」「宝ちゃん」。４匹揃うと「金銀財宝」ということですが、ゴミ置き場から煌びやかな未来へ向かって歩んでいってほしいと願っての名前です。シンデレラのストーリーのようで、スタッフの心の温かさを感じます

■きょうだいともに運動神経抜群！

ねこ友会に提携する預かりボランティアさんの家に預けられた金銀財宝きょうだいですが、4匹ともに元気いっぱい。遊ぶのが大好きで、日夜きょうだい一緒に動き回っています。まず財くんが最初に体を動かし始め、「遊びが始まるんだね！」といった感じで銀くんがあとに続きます。そこに金くん、宝ちゃんも一緒に参加する、というのがパターンのようです。

興味深いのが預かりボランティアさんの家に設置された3段ケージをみんなが器用に駆け上ること。これは、ゴミ置き場で培われた技術なのか、それとも持って生まれた能力なのか。いずれにしても、4きょうだい全員が楽しそうに過ごす様子を見て、「本当に良かった」と思うねこ友会のスタッフでした。

現在、4きょうだいとも預かりボランティアさんの家で「ずっとのお家」に出会うことを夢見て過ごしています。以降の猫生をたっぷりの愛情でお世話してくれる里親さんと、1日でも早く出会えることを願うばかりです。

（まいどなニュース特約・松田 義人）