釣り糸に絡まり衰弱した子猫きょうだい 虹の橋をわたった子猫がもたらした奇跡 「お空の上から見守っていてね」

2023年5月、千葉県内の民家の庭に、釣り糸に絡まって弱っている2匹のきょうだい子猫がいました。生まれて間もないようで、すぐにでも助けないと危険な状態でした。

後に「地球ちゃん」「銀河ちゃん」と名付けられたこの子猫を知った、千葉県我孫子市を拠点に野良猫のTNR活動を行うねこ友会のスタッフはすぐに保護し動物病院へ連れていきました。

■重篤な怪我と病気

地球ちゃんは、左手関節が反対方向に向いており、破行が顕著。診察の結果、血行は損なわれておらず、リハビリによって回復の可能性があるとのこと。痛々しい様子でしたが、獣医師の「回復の可能性がある」という言葉にスタッフは胸をなでおろしました。一方、銀河ちゃんは肺炎を患っている様子で、ねこ友会に提携するミルクボランティアさんが懸命に世話をすることになりました。

■奇跡をもたらしてくれた?

ミルクボランティアさんの懸命な看護にもかかわらず、銀河ちゃんは息を引き取り、虹の橋を渡ってしまいました。短い猫生を苦しい思いで旅立った銀河ちゃんを思うと、スタッフは胸が苦しくなりました。

地球ちゃんは幸せな猫生をおくってほしいと願うスタッフでしたが、銀河ちゃんが旅立ってから約一週間後、思わぬことが起こりました。銀河ちゃんと地球ちゃんが保護されたすぐ近くで、子猫が発見されたのです。さらに同じ日、別の子猫が近くの室外機の下でミャーミャーと鳴いているのを発見。みな銀河ちゃん、地球ちゃんのきょうだいのようです。

ねこ友会のスタッフは、旅立った銀河ちゃんが「私のきょうだいはまだいるよ。お世話してあげてね」と導いてくれたように感じ、これらの子猫に「釣り糸ベビーズ」と名付け、世話することにしました。

■地球ちゃんの手の関節が回復!

保護された子猫にはそれぞれダイヤくん、ゴールドくんと名付け、生き残った地球ちゃん、そして別途保護した一家の母猫と一緒に世話することになりました。母猫は、母性が強く、連日釣り糸ベビーズたちが気になるようで、必要な際にはお乳をあげていました。

心配だった地球ちゃんの予後ですが、時間はかかったもののリハビリによって手の関節が正常な位置に戻り、歩行もスムーズになりました。これもまた旅だった銀河ちゃんが奇跡をもたらしてくれたように思えました。

■元気いっぱいで第二の猫生を待つ地球ちゃん、ダイヤくん

地球ちゃんが元気を取り戻したころは、3匹とも成長し遊び盛りになっていました。釣り糸ベビーズは皆穏やかな性格で、いっぱい遊んで、食べて、寝るのが大好きな猫たちでした。ねこ友会ではこれを受け里親募集をスタート。ゴールドくんに「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ正式譲渡。「ずっとのお家」で幸せに暮らしているそうです。

地球ちゃんは現在も里親募集中。ダイヤくんは皮膚病を患い、治療のため一時里親募集をストップしています。地球ちゃんもダイヤくんも預かりボランティアさんの家で相変わらず元気いっぱいで、楽しく過ごしています。この2匹にも近い将来、お空の銀河ちゃんが幸せなミラクルを起こしてくれるはず。ねこ友会のスタッフは、そんな期待を胸に抱いています。

ねこ友会

https://nekotomokai.amebaownd.com/

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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