「本物かと」「いちごの匂いが」 リアルな「いちごサンド」使った画材に驚き…実は日本ならではのものだった
みずみずしく美味しそうな「いちごサンド」の画像が「X」で話題になりました。実はこちら「写真」ではなく「日本画」なんです!
「すんごい可愛く描けたので見てください...!!!!!!!!
『いちごサンドひとつ』
雲肌麻紙に岩絵の具」
こんな言葉と共に作品を投稿したのは「大森亜矢子 日本画さん(@_aya_1011_)です。大森さんは武蔵野美術学園日本画コースを卒業後、「おいしくてしあわせな日本画」を制作しSNSなどに発表している画家です。今回話題になった「いちごサンド」は鉱物や貝殻などの粒子を原料とした天然岩絵の具で描かれているのだそう。
「本物かと思った! いただきまーす♪」
「いちごの匂いがした!」
「これ床の間に飾ってあったら超可愛い すごく可愛い」
美味しそうな「日本画」に絶賛の声が寄せられています。
■「天然の岩絵の具」だけで描いている
大森さんに絵画を制作した時のことをお聞きしました。
--いちごサンドを描こうと思ったきっかけは?
描こうと思ったきっかけは、いちごサンドが大好きだから!というのがいちばん大きいです。ケーキよりもサッパリしてて、断面が可愛くて、フルーツサンドって本当に美味しいですよね。基本的に、私自身が大好きな食べ物をモチーフにしています。美味しそうだなぁ!と心から思うモチーフは美味しそうに描けるように感じています。
--描画する際、特にこだわった点を教えてください。
こだわった点は、「岩絵の具」のデコボコキラキラとした独特の絵肌感を生かすことと、色選びです。ガラスなどから作られた、「新岩絵の具」という人工の岩絵の具もあって、そちらは色数が多いのですが、私は天然の岩絵の具だけで描いているので使える色数が少ないのです。持っている色の中から、どれを塗ったらいいかしら?と考えているときがとても楽しく嬉しい作業です。また、岩絵の具は粒子が細かいものと粗いものがあって、どの荒さを使うかでも描き味や仕上がりが異なるのも面白いです。
■「私をきっかけにして日本画を知る方がいたというのはとても光栄に思う」
--ご自身の絵画が拡散しました。
作品にこんなにもたくさんの反響をいただいたのは初めてだったので、とにかくビックリしました!武蔵野美術学園を卒業したのは10年以上前ですが、三人の息子の子育てでバタバタしていて本格的に作家活動をスタートさせたのは2年ほど前になります。コツコツと描いているのをいつも応援してくださる方がリポストしてくださったことから反響になったので、本当にありがたいです。
--驚きと称賛の声が届いています。
特に嬉しかったコメントは、『こんなに可愛い日本画があるんだ!』『岩絵の具って初めて聞きました!』といったご感想です。私自身が昔日本画を知った時に、その絵肌感や、自然の恵みである岩絵の具の存在に感動したので、私をきっかけにして日本画を知る方がいらしたというのはとても光栄に思います。日本古来の伝統技法である日本画が、後々の世にも続いていくととても嬉しいです。
■「誰かの心のお守りのような作品」を描くのが目標
「私の絵を見た方が、しあわせでうれしい気持ちになるような絵を描いていきたいです。誰かの心のお守りのような作品になるのが目標です」と創作にかける思いを語る大森さん。さらに今後描きたいモチーフについて「大好きなバウムクーヘンとクロワッサンは描くと決めています!フルーツサンドの断面がお花になっているものも描きたいです。普段はなかなか手が出ないお値段のものでも、モチーフにしよう!と思うと買ってしまうことが度々あります(笑)」といい「また、お寿司をたくさん描いて、『おすしすきすき』という個展をいつかやりたい…という野望もあります!私の絵を飾ってくださるお寿司屋さんがないかしら?なんて思っています」と抱負を話しています。
(まいどなニュース特約・山本 明)