江戸時代の翻訳書から生まれた「榕菴(ようあん)ココア」はどんな味? お好みでショウガやスパイスを加えて 洋学のまち津山で飲めます
幕末の津山藩医で洋学者の宇田川榕菴(ようあん)(1798~1846年)が翻訳した書物から着想を得て商品化した「榕菴ココア」が、岡山県津山市城東地区の観光案内所・和蘭(おらんだ)堂(同市西新町)で販売されている。ココアにショウガやスパイスを混ぜて味わう楽しみ方が特徴で、津山市観光協会が考案。食器も市内作家の手作り品にこだわり、洋学のまちの歴史や文化をアピールしている。
泡立てた牛乳を浮かべた市販のココアに、津山市産ショウガやスパイスのシナモン、クローブを添えて提供。好みの味に調節して飲んでもらう。ココアにもショウガやスパイスが入ったチョコレート「榕菴ショコラ」の粉末を振りかけ、ショウガやスパイスを入れる豆皿は薄ピンク色で津山の桜をイメージした。
榕菴や養父の宇田川玄真(1769~1834年)らが1811~1846年ごろにフランスの文献を翻訳して著した「厚生新編」に紹介されたチョコレート「ショコラード」のレシピを参考に商品化した。文献では菓子より薬に近い飲み物としてショコラードに水や牛乳に入れて飲むよう勧めてあるという。
ココアの販売では、地元工芸品の使い心地も堪能してもらおうと津山民芸協会の竹彫刻家が手がけたスプーン、陶芸作家のカップとソーサー、横野和紙職人がすいたお品書きの用紙を使っている。津山市観光協会は「津山らしさを多く取り入れた。地域にもっと興味を持つきっかけになってほしい」としている。
12月上旬から提供しており1杯700円(当面はホットのみ)。営業は午前10時~午後5時。月曜定休。問い合わせは和蘭堂(0868-24-6288)。
(まいどなニュース/山陽新聞)