【介護と仕事の両立】介護に「週4日以上」携わっている人は4割強…一方、「介護休業を知らなかった」3割強
老人ホーム・介護施設検索サイト『LIFULL 介護』を運営する、株式会社LIFULL senior(ライフル シニア/東京都千代田区)は、このほど「介護と仕事の両立」に関するアンケート調査の結果を発表しました。同調査によると、働きながら介護を始めた人の4割強が「週4日以上介護に携わっている」と回答しました。その一方で、3割強の人が「介護休業」について知らないことが分かったそうです。
調査は、過去10年以内に家族や親族の介護に携わったことがあり、介護が始まる前に仕事をしていた1105人を対象として、2023年12月にインターネットで実施されました。
仕事をしながら介護を始めた人のうち、「仕事の量を減らした」(18%)や「退職し介護に専念した」(9.4%)など、仕事に何らかの影響があった方は約55%となりました。
続いて、「一週間に介護に携わる日数」を聞いたところ、「週7日」(26.4%)、「週1日」(24.0%)、「週2日」(16.2%)などが上位となったものの、「週4日以上」が45%を占める結果となりました。
さらに、「1日のうち、何時間介護に携わっていますか」と聞いたところ、「3時間」(20.0%)、「1時間」(18.0%)、「2時間」(17.6%)などが上位となった一方で、「5時間以上」の回答が合計で30.5%と3割を超えました。
また、「負担となる介護」を複数回答で答えてもらったところ、「食事や排せつ、入浴など日常の介助」(38.1%)、「介護される人の体調不良など突発的な対応」(30.6%)、「病院など外出の付き添い」(28.2%)といった回答が上位に並びました。
次に、介護についての知識で「知っておくと便利な事柄についての認知度」を調べたところ、36.4%の人が「介護休業」について知らないことが分かりました。また、介護が始まる前から頼りになる「地域包括支援センター」も、介護が始まる前から知っていた人は33.2%にとどまっています。
そこで、「介護が始まる前に知っておきたかったこと」を複数回答で答えてもらったところ、「介護保険サービスでできること」「介護の費用感」(いずれも31.3%)が最多となったほか、「介護保険サービスの利用方法」(26.9%)といった回答も挙げられました。
同サイトは、「介護保険サービスでできることは、ヘルパーによる介助だけでなく、福祉用具の貸し出しやリフォームなど多岐に渡ります。介護が始まる前に知っておくとスムーズに利用を開始できるでしょう」とコメントしています。
さらに、「介護が始まる前に準備しておきたかったこと」についても複数回答で答えてもらったところ、「介護の相談先を知っておく」(28.5%)、「介護施設を探しておく」(27.1%)、「家族、親族で介護の役割などを話し合っておく」(24.5%)などに回答が集まりました。
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調査を実施した同サイトは、「介護を必要とする高齢者の人口が増加するなか、介護者の負担増はほぼ避けられません。そうしたなか、介護離職を回避するため、現代のビジネスパーソンには介護リテラシーの向上が求められています。地域が提供する社会資源や、『介護休業』など働く人のための支援制度を上手に介護に活用したいところです」と述べています。