クルマの車庫入れ パーキングアシストvsJAFインストラクターの軍配は? 駐車スペースを認識できないケースも 過信は禁物
パーキングアシストはバック駐車や縦列駐車が苦手な人にとって便利な機能です。ただ、使えない場面もあり、車購入にあたって人によっては必要かどうか判断に迷うこともあるでしょう。
■パーキングアシストとは
パーキングアシストとは、ハンドルやペダル、シフトの操作をシステムが自動制御し、駐車を支援する機能です。「駐車支援システム」「自動駐車機能」とも呼ばれます。
各メーカーでの名称は、以下のように様々です。
【トヨタ】
アドバンストパーク、インテリジェントパーキングアシスト他
【日産】
プロパイロットパーキング、インテリジェントパーキングアシスト
【ホンダ】
スマートパーキングアシストシステム、パーキングパイロット
【三菱】
マイパイロットパーキング
【ダイハツ】
スマートパノラマパーキングアシスト
▽パーキングアシストの仕組み
パーキングアシストは、車載カメラやセンサーによる周囲認識機能とAIによる分析機能で成り立っています。カメラやセンサーが駐車スペースと障害物の有無を認識し、AIが障害物に接触しないルートを算出して動いています。
▽自動制御の範囲で3種類に分かれる
パーキングアシストは、自動制御の範囲で以下の3種類に分けられます。
・ハンドル操作を自動制御
・ハンドル+ペダル操作を自動制御
・ハンドル+ペダル+シフト操作を自動制御
ハンドル操作のみ自動制御する機能では、ドライバーがペダル操作とシフト操作を行います。ただし、これらの操作に関しても音声での指示があります。
ハンドル・ペダル・シフト操作を全て自動で行うような高度システムでは、スイッチを押すなどの単純作業だけで駐車が完了します。
▽車両購入後の後付けは不可能
パーキングアシストは、現時点では多くの車種でオプション装備として設定されています。またメーカーオプションのため、後付けはできません。そのため新車に装備する場合は、契約時に注文する必要があります。
■パーキングアシストは装備するべき?
パーキングアシストを使い、「駐車が楽にできた」という声がある一方、「自分で停めた方が楽」という意見もあります。
▽人によって駐車時間が約1分短縮
JAFが行ったユーザーテストでは、駐車を苦手とするドライバーがパーキングアシストを利用したところ、自力でのバック・縦列駐車より駐車時間が約1分短縮されました。
一方、パーキングアシスト使用時とJAFのインストラクターが自力で駐車した場合では、インストラクターの方がわずかに早く駐車を完了していました。
※出典:JAF「駐車支援機能はどこまで使えるのか?(JAFユーザーテスト)」
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/parking/parking-assist
▽駐車スペースや障害物を認識できない場合も
JAFのテストでは、白線が消えかかっている場合や、歩行者を含む障害物がある場合の作動具合も検証しています。同テストでは、白線が薄いと駐車スペースを認識できませんでした。また障害物も位置によって認識できず、ドライバーのブレーキ操作を要する場合がありました。
現時点では、パーキングアシストはまだ「万能」とは言えないようです。
▽運転初心者やミニバンユーザーにはおすすめ
JAFのユーザーテストの結果から分かるように、運転に自信のある人にパーキングアシストは必要ありません。他方で免許取得後3年以内の人や運転頻度の少ないドライバーでは、パーキングアシストがあると安心でしょう。
ボディタイプ別では、死角の大きいミニバンユーザーに装備をお勧めします。
■パーキングアシスト搭載の代表車種
パーキングアシスト搭載の代表車種は、以下の通りです。なお車種によって装備条件(グレードなど)が異なる他、同じメーカーでも車種ごとにパーキングアシストの性能が異なります。
【軽自動車】
タント、タフト、ムーヴキャンバス、サクラ
【コンパクトカー】
アクア、ヤリス、リーフ
【セダン】
プリウス、MIRAI
【SUV】
ライズ、ヤリスクロス、エクストレイル、アリア、ロッキー
【ミニバン】
アルファード、ヴェルファイア、ヴォクシー、ノア、シエンタ、ステップワゴン、セレナ
(まいどなニュース/norico)