「回を重ね、パペットと一心同体に」 劇団四季「アナ雪」オラフ役の大橋美絵さん 言葉に説得力のある俳優目指す
劇団四季のミュージカル「アナと雪の女王」が東京都港区の四季劇場「春」で上演されており、主要キャラクターのオラフ役を岡山市出身の大橋美絵さん(29)が務めている。幼少期に四季のステージを見て憧れ、岡山南高卒業後に入団して10年でつかんだロングラン公演のメインキャスト。「幸せな気持ちをいっぱいに表現できるよう、自分なりのオラフを演じていきたい」と意欲を見せる。
ディズニー映画を基にした「アナ雪」は、雪と氷を操る魔法の力を持ち、人目を避けて生きてきた王女エルサと、エルサを慕う妹アナの物語。国内では2021年6月に初演を迎え、これまでに約800回上演された人気作だ。
大橋さんは劇団内のオーディションを経てオラフ役を射止め、22年8月から他の3人の俳優と交代で舞台に立っている。雪だるまのオラフは、離れ離れになった姉妹をつなぐ重要な役どころ。「誰もが知っている存在でプレッシャーは大きいが、アナとエルサの愛が詰まったすてきな役」と思い入れを語る。
パペット(人形)を操りながらの演技。当初は動きの複雑さや相手役が自分ではなくパペットに視線を合わせるなど演じ方に戸惑ったという。それでも「回を重ね、パペットと一心同体になれるようになってきた。舞台上で自分がオラフとして生きていると感じられる時が本当に楽しい」と笑みを浮かべる。
四季との出合いは5歳の頃。岡山市内で上演されたミュージカルを鑑賞し「俳優たちが力いっぱい踊る姿に感動して自分も同じ舞台に立ちたいと思った」。岡山南高1年から「山陽新聞カルチャープラザ」のダンスレッスンに通い、講師の言葉に背中を押されて入団を決めた。難関の試験を突破して13年に研究生となり「ガンバの大冒険」「マンマ・ミーア」などに出演してキャリアを積んできた。
創立70周年の伝統を誇る四季。「出演者全員で一つの作品に向かっていく。本番ではお客さんと一体となり、さらにエネルギーが増す」と劇団の魅力を紹介する。今公演を機に演技に一層磨きをかける意気込みで「言葉に説得力のある俳優になるのが目標。劇場に足を運んでいただき、感動の体験を味わってもらいたい」と話す。
(まいどなニュース/山陽新聞)