11歳で見せてくれた「初めてのへそ天」に感動! 売れ残って殺処分直前…“立ち耳”のスコティッシュフォールドを迎えて
ようやく心を許してくれたのかと感じられる愛猫の姿や行動を目にした時、飼い主の心はポカポカと温かくなるもの。suisさんは、まさにそんな体験をしました。
なんと11歳になったマロンくんが、目の前で初めて「へそ天」を披露!嬉しさを噛みしめると同時に、これまでの思い出が頭をよぎりました。
■殺処分を避けたくて迎えた“立ち耳”のスコティッシュフォールド
マロンくんは、世の中が“スコティッシュフォールドブーム”に沸いていた頃、suisさんの妹さんが出会った子でした。
一過性のブームの裏には「猫種としての特徴が上手く表れていない」という人間側の身勝手な理由によって、悲しい思いを強いられている子も多いもの。マロンくんもそのひとりで、折れ耳ではなく、立ち耳だったことから売れ残っていました。
ペットショップの店員は妹さんに「この子は、本当にかわいくて素直でいい子なんです。それなのに、あと少しで殺処分にされるんです」と説明。事情を知った妹さんは、命を見捨てることができませんでした。
当時、妹さんは実家を出て、ひとり暮らし中。おうちに迎えられたマロンくんは妹さんの料理姿を観察したり、後追いをしたりと2人での生活を満喫していたそう。
その後、妹さんが実家に戻ってきたことで、suisさんら家族もマロンくんと暮らすことになりました。
■11歳の冬に「初へそ天」を披露!
眼光鋭いお顔からは想像できないほど、マロンくんは構って欲しがりで甘えん坊な性格。すぐ家族に慣れ、「名前を呼んで」「顔を撫でで」と、スリスリでおねだりするように。
「家族でマロンの話をすることが多くなり、特に父親との会話が増えたんです。マロンのおかげで、家族の距離が近くなった気がしました」
苦手な抱っこは時が経つにつれ、嫌がる素振りを見せながらも喉をゴロゴロ鳴らし、身を委ねてくれるように。しかし、甘えん坊な反面、人間への強い警戒心も持っていたため、へそ天は見せてくれませんでした。
ところが、2023年11月下旬。ついに待ちわびていた光景が…! 日頃から、寒くなるとsuisさんの膝に乗って暖を取っていたマロンくんは、よほど眠かったのか、膝の上でゴロン。横になったかと思いきや、かわいらしいへそ天を披露したまま、爆睡してくれたのです。
「大感激しました!しかも、私のお膝の上でなんて…。よほど信頼してくれているんだなあと感じ、本当に愛おしく思いました」
なお、その後もマロンくんはsuisさんの膝の上でのみ、へそ天寝してくれているそう。どこか特別感あるマロンくんの態度に、suisさんはときめいています。
■相性の良くなかった先住猫とも互いを認め合うように
そんなsuisさん宅には、もう1匹かわいい猫ちゃんが生活中。それが、キジシロのイチくんです。
実はイチくんとマロンくん、相性が悪かったそう。初対面時に大喧嘩となったため、1年間ほどはお互いが顔を合わせないよう、ほぼ隔離。いまだに派手な喧嘩をすることはありますが、適度な距離間で生活できるようになりました。
「少し前、イチが体調を崩し、丸1日入院した時、マロンは何だか元気がなく、ソワソワしていました。仲良くはなれないけれど、やっぱりいないと少し寂しい気持ちになるのかもしれません」
そう語るsuisさんは歳を重ねていく愛猫が1日でも長く生きてくれるよう、食事やおやつの量を徹底管理して肥満予防。マロンくんは寂しがりな性格であるため、極力、変化を感じさせない生活を心がけてもいます。
いままで病気ひとつつせず、健康でいてくれてありがとう。いつまでも元気で無邪気なマロにゃんでいてね--。そう語りかけるsuisさんの温かい愛は、きっとマロンくんにも伝わっているはず。
強面ニャンキーなのに構ってちゃんな甘えん坊で、お笑い担当も担っているマロンくん。これからも、自分らしいニャン生を長く満喫してほしいものです。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)