生産終了20年「セドリックパトカー」の雄姿いつまでも…“現役車”残る岡山の警察署に福島からプラモデル届く 「昭和の雰囲気」残した武骨さ

 岡山県警美咲署1階窓口に日産「セドリック」のパトカーのプラモデルが飾られている。刑事ドラマなどに登場し、オールドファンにはおなじみの名車。生産終了から20年がたった今も同署に“現役車”があると知った福島県の緊急車両愛好者が寄贈した。2011年の東日本大震災で被災地を支援した岡山県警への謝意と「いつまでもその雄姿を」との思いを込めた1台だ。

 セドリックのパトカーは1987~2004年に生産され、ボンネットの前方に付いたフェンダーミラーや角張った車体が特徴。各都道府県警などが採用したが、中国地方では唯一、岡山県警の美咲、真庭署で2台が現役を続けており、美咲署では管内の巡回で活躍している。

 「実用面と頑丈さを重視したシンプルなデザイン。昭和の雰囲気を残す武骨さがかっこいい」。プラモデルを寄贈した団体職員の男性(31)が魅力を語る。

 プラモデルは全長20センチ、幅7センチ、高さ6センチで実物の24分の1サイズ。ナンバープレートは実物と同番号で、側面の「岡山県警」の文字やシンボルマークも同じ。屋根には車両に割り振られた番号「210」が記され、ブーメラン形の赤色灯が付いている。市販のセドリックのプラモデルを約9カ月かけて改良して仕上げた。

 寄贈は、緊急車両をモチーフにしたプラモデル作りが趣味の男性が、古里を支援してくれた警察にお礼をしようと13年から各都道府県警が所有する珍しい車両を手作りして続けている。岡山県警にはSNS(交流サイト)で美咲署にセドリックが残っていると知って決めたという。

 完成品は昨年11月、男性が同署を訪れて届けた。「多くの人に見てもらい、地域の安全に役立ててほしい」と男性。高本恵介署長は「遠方から応援をいただき絆を感じる。実物も丁寧に整備して大切に運用し、管内の治安維持につなげたい」と話している。

(まいどなニュース/山陽新聞)

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