「投資で損ばかりしている」と感じるあなたへ FPが解説する「投資に失敗する3つのパターン」…利益を出すには“メンタル”が重要です

2024年は新NISAが始まりました。投資に興味を持っている人が多いのではないでしょうか? しかし、投資は必ずしも利益が出るものではありません。「投資ブームが起きているけど、うまく利益が上がらない」「投資で損ばかりしているように感じる」という人もいるかもしれません。実際に投資で大きな損失をしている人も多くいます。実は投資で利益を上げるためには、知識や経験はもちろん必要ですが、「メンタル」も重要になってきます。

Aさんは、大阪に住む40代の会社員です。最近の投資ブームに乗って投資を始めましたが、どうも利益を上げられません。本やYouTubeなどで投資について勉強をしているのに、うまくいかないことに悩んでいます。

実はAさんが投資で失敗をしている理由は、3つあります。それは、

・余裕資金で投資をしていない

・損失が出るとすぐに投資を止めてしまう

・損切りができない

といったこと。それぞれの理由について説明します。

■投資で失敗するよくある3つの例

▽余裕資金で投資をしていない

Aさんは「たくさん資金を投入した方が利益も大きい」と思い、すぐに利用する予定のあるお金まで投資に回していました。

投資は余裕資金で行うのが原則です。使用する予定の費用で投資を行ってしまうと、いくら長期的に保有すれば上昇しそうな銘柄を保有していても解約せざるを得ません。

Aさんは余裕資金での投資を行っていなかったために、価格上昇が見込まれる銘柄を保有しながらも、結局はすぐに売却することを繰り返していました。そのため、結果的にどんどん資金を減らしてしまいました。

投資を行う際は、必ず長期間、使う予定のない余裕資金で行うようにしてください。

▽損失が出るとすぐに投資を止めてしまう

Aさんは含み損が出ると怖くなり、すぐに投資を止めてしまう癖がありました。投資は右肩上がりで上昇するわけではなく、含み損が発生してしまう可能性が非常に高いです。そのため期待できる銘柄であれば、長期で保有することで、利益になる可能性が十分にあります。

しかし、少しの含み損でも損失を極度に恐れ、すぐに投資を止めてしまう人がいます。これでは、利益を出すことができません。

保有している銘柄にもよりますが、含み損が出るものとして考え、長期で保有するのが大切になるでしょう。

▽損切りができない

Aさんは、損切りをすることもできませんでした。損切りとは、損失を確定させることです。投資は期待できない銘柄を保有し続けても、損失はどんどん広がるばかりです。一定のラインまで損失が広がってしまった場合、思い切って損を確定させることも投資では必要です。

しかし、損切りは人間の本能に反した行動になるので、なかなかうまく損切りは行えません。

損切りができないと、小さな損失で済んだところを莫大な損失になってしまう可能性があるので、注意が必要です。

   ◇   ◇

以上、Aさんが利益をうまく上げられなかった理由はわかりましたが、どうすれば利益を上げられるようになるのでしょうか。FPの鳥居佳織さんに聞きました。

■投資でメンタルが必要な理由は3つ!

--どうすれば投資で利益を上げられるようになるのですか。

投資にはメンタルが重要です。主な理由は3つです。

・本能に逆らう、「損切り」をする必要があるから

・常にポジションを保有していたい誘惑を断ち切る必要があるから

・損失が出ていてもそのまま保有する勇気が必要だから

それぞれの理由について説明をします。

▽本能に逆らい、損切りをする必要があるから

投資は保有している商品が必ず上昇するわけではないため、安定的に利益を上げるためには、どうしても損切りをする必要があります。

しかしこの損切りですが、本能に逆らう行動になりますので、なかなかメンタルが強くないとできません。

しっかりと自分でルールを決めて、損切りを行うようにしましょう。

ただし、しっかりと分析して今後期待できる銘柄だと自信があるのなら、多少含み損が出ても長期で保有するのが良いです。特に配当の高い株式であれば、長期で保有することで、配当が積み重なり、含み損を解消してくれる可能性は十分にあります。

▽常にポジションを保有していたい誘惑を断ち切る必要があるから

特にFXなどの場合に多いのですが、利益が出ると常にポジションを保有したくなる人が続出します。なぜなら、ポジションを保有しなければ利益は絶対に出ないからです。

しかし、投資をするタイミングなどの判断が甘くなり、手あたり次第にポジションを保有してしまうと当然ですが、うまく利益を上げられません。

常にポジションを保有したい誘惑を断ち切るためには、強いメンタルが必要なのです。

▽損失が出ていてもそのまま保有する勇気が必要だから

投資を行う上で、含み損は非常に高い確率で出てしまうものです。しかし長期で保有することで、有望な銘柄であれば、そのあと大きな利益になる可能性があります。

損切りとは一見すると逆に見えますが、すぐに損失が出たからといって、投資を止めてしまうと、いつまでたっても利益は出ません。

損失が出ていると精神的に辛くなりますので、メンタルを強く持つ必要があります。

ただし、今後の値動きが期待できない銘柄の場合、思い切って損切りをして他の銘柄に切り替えるのは非常に重要です。

つまり、なんでもかんでも「長期保有」「損切り」というわけではなく、保有している銘柄によってのバランスが必要です。常に「長期保有」「損切り」の判断ができるよう、最新のマーケット環境を確認するようにしましょう。

◆鳥居佳織(とりい・かおり)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大手生命保険会社にて8年間勤務。保険コンサルティングでは個人、法人、問わず生命保険や損害保険を幅広く販売。金融ジャンルの専業ライターとして活動中。金融全般に関するさまざまな相談に応じてきた経験があり、実体験ベースでの執筆が得意。主に保険、年金、資産運用など幅広く執筆している。

(まいどなニュース特約・八幡 康二)

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