「私の人生はどうなるの?」義母の介護に追われ、夫との関係にも亀裂…不妊治療も中断し不満爆発寸前【夫婦問題研究家・岡野あつこさんがアドバイス】
わがままな義母の介護に振り回される一方、無関心な夫に不満を募らせる妻から相談がありました。義母のサポートに時間が取られ、不妊治療の中断にも追い込まれたそう。これからの人生の閉塞感とイラ立ちにさいなまれ、離婚も視野にいれているようです。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんがアドバイスします。
■義母の介護に疲弊…私の人生はどうなるの?
【相談】私と夫は二人とも31歳。結婚して4年目ですが、なぜかこれまで子どもに恵まれなかったため、今年から不妊治療をしています。義父は3年前に他界し、現在、65歳の義母は私たちの自宅から車で30分のところにひとり暮らしをしています。
その義母が先月、風呂場で転倒し骨折したため入院しました。その際、「念のために」と受けた検査でガンが発見されました。これをきっかけに「施設に入る」という選択肢も考えられましたが、義母本人が拒み、退院後は「他人が家に入るのもイヤだ」とヘルパーのサポートも断り、ふたたびひとり暮らしを再開しました。
夫いわく「オレは仕事が忙しいから平日に介護を手伝うのは無理。でもどうせまだ子どももいないんだから、お前がおふくろの世話くらいしてやってもいいんじゃないの?」。反論する理由もなかったので、夕方、仕事の帰りに私が義母の家に寄って、食事の支度や掃除、洗濯などをすることに。義母が通院する時は、私は有休を使って病院までの送迎をしています。
ところがいざ通いはじめてみると、義母の要望はわがままが増すばかり。できることでもやろうとせず、私を召使いのようにこき使ってくるようになりました。
さらに、「週末はオレもなるべく手伝うようにするから」と言っていた夫も、仕事や付き合いを理由に、自分の実家にもかかわらず顔を出そうともしません。
義母のわがままと夫の無関心ぶりに、私のストレスはたまる一方。先日は、ついに帰宅した夫に向かって「あなたのお義母さんなのに、なんで私ばかり面倒を見なくちゃいけないの? 嫁の私に介護の義務はないはずよ!」とキレてしまいました。
夫は、私の言葉に凍りつき、「お前がそんなに冷たい女だとは思わなかった」と言ったきり、私を無視するようになったのです。
とはいえ相変わらず、介護をサポートするわけでもない夫とワガママ放題の義母の現状に精神的なダメージを受け、物理的に時間もとれない状態の私は、不妊治療を中断せざるを得なくなってしまっています。このまま私の人生が終わってしまうのかと思うと、不安とイラ立ちでいっぱいになります。
■夫と話し合いができない時は第三者を入れて早急な話し合いを
【岡野さんの回答】
自分の親の介護でも大変なのに、ましてや夫の親の介護をワンオペで担うのは相当なことといえるでしょう。夫婦関係にもよくない影響を及ぼすことは容易に想像できます。
自分自身の不妊治療に専念できるよう、できるだけ早いうちに、義母の介護のこれからについて、問題点を明確にしつつ、夫と真剣に話し合う機会をつくりましょう。
もしも「妻として失格!」などと決めつけられ、夫に取り合ってもらえないようなら、私たちのような夫婦問題のプロなど第三者を介して、今の状況が少しでもよくなる方法を提案してもらうことも考えることをおすすめします。「義母の介護のことで、夫婦がもめることがもっともよくないこと」であることを夫にきちんと認識してもらうのです。
そのうえで、夫には「初めての経験でどうしたらいいのかわからないから、一緒に向き合ってほしいの」と協力体制をあおぐようなスタンスで臨んでください。
誰でも、自分の親が衰えていく姿を目の当たりにするのはつらいことです。だからこそ、夫が後悔なく母をお世話できるよう、妻であるあなた自身が慈愛をこめてサポートする気持ちを持つことが大事だと思います。そのためにも、経験者や情報を持っている人の意見を積極的にあおぐことが大切です。
◆岡野あつこ(おかの・あつこ) 離婚カウンセラー・夫婦問題研究家/課題解決型マッチングメディア「リコ活」アドバイザー
「離婚しないに越したことはない! 」をモットーに、3万8000件以上の結婚、離婚、再婚相談を受け、数多くの夫婦問題を解決に導く。カウンセラー育成にも力を注ぎ、「マリッジカウンセラー、夫婦問題カウンセラー養成講座」を開講している。
(まいどなニュース/リコ活)