柴犬「飼い主が雪に埋まってる!」悲痛な声で雪を掘る姿に絶賛の声 飼い主は「絆を確認、涙が出そうに」実は疾患で売れない柴犬だった

この日、自宅のドッグランに積もった雪で犬用のトンネルを作っていたL I S A(@niihaonyan0815)さん。すると、トンネルの反対側で愛犬、おみつくんが予想外の行動を取っていたといいます。

「雪の奥にいる私を必死に助け出そうとしてくれている柴犬です。聞いたことのない慌てた声を出しています。ちなみに私は反対側から雪を掘っているだけです」

そうつぶやき、L I S AさんがX(旧Twitter)に投稿した動画に映っていたのは、雪の向こうにいるL I S Aさんを救い出そうと、悲痛な声をあげて必死に雪の穴を掘り続けるおみつくんの姿! 飼い主さんを助けようとするその健気な姿に、17万5千以上のいいねがつくと共に、称賛のコメントが殺到しました。

■飼い主を思う悲痛な声に「涙出そう…」

「やさしくて泣いた」

「飼い主さんの危機を感じ取ったんですかね」

「大切に愛情いっぱいで暮らされてるのがわかります!必死な声に、涙出そう」

「なんて健気、泣いてしまう(涙)。このシーンだけで全米が泣く映画が出来ます」

全米も涙しそうな健気なワンちゃんは、4歳になる柴犬の男の子、おみつくん。そして、「掘ってる子に何かあったかと別の子が心配して見に来てますね」というコメントもあったように、動画の途中、おみつくんの悲痛な声を聞いてかけつけ、反対側にL I S Aさんがいることを素早く確認していたのは、おみつくんの同居犬で、3歳になるウルフドッグの女の子、ディオネちゃんです。

「いつも私の姿が見えなくなると探しに来てくれて、お昼寝中ふと目が覚めたときもパッと私の姿を確認してくれるような子です。とても優しい子なんですよ」という柴犬、おみつくんについてL I S Aさんにお話を聞きました。

■「飼い主!今助けるから!」

ーー「雪に埋まったの!?僕が助けるから!」と言ってるみたいですね。

「自宅ドッグランの大きな雪山にトンネルを作ろうと、私と夫がそれぞれ、雪山の反対側から掘り進めていました。夫がたまたま休憩中にカメラを回していると、ノコノコおみつがやってきたそうです。おみつは夫が掘った雪穴に入ると、反対側から雪穴を掘り進めていた私の声やスコップの音が聞こえるのに姿が見えないため、私が雪に埋まっていると勘違いしたようです。雪穴にいるといろいろな音が遮断されてしまうため、私にはおみつの声や雪を掘る音などは全く聞こえず、後から夫が動画を見せてくれました」

ーー動画の途中、ウルフドッグのディオネちゃんも駆けつけてましたね。

「“おみつ、どうしたの?”と様子を見に来たのだと思います。ディオネはおみつのことをとても慕っているので、おみつがいつもと違う声を出したことに驚いたようでした。ディオネは適応能力に優れているので、本当に私が危機的な状況なのかどうかを理解出来ています。なので、おみつと一緒になって焦って私を探すということはありませんでした」

■確認出来た愛犬との「絆」

ーー撮影後、おみつくんはL I S Aさんが無事だと気づいたのですか?

「雪穴を焦って掘っている途中、急にハッとなり、私の方にテクテク歩いて来ました。私が埋まってなかったことを確認して、安心したというより、久しぶりに会ったかのような喜び方をしてくれました。数十秒前まで一緒にいたのに(笑)。

その時、何でこんなに喜んでるんだろう?と疑問だったのですが、動画を見て、点と点が繋がったように感じました。おみつをだましたつもりはないので申し訳なさもありますが、必死に雪を掘って助けようとしてくれた姿勢や焦った声などを聞き、たまらなく愛おしくて、涙が出そうになりました…。こういった形ではありましたが、おみつとの絆を強く感じることが出来て、飼い主としては大変嬉しかったです」

■忠犬おみつくんと、おみつくんを見守るディオネちゃん

ーーおみつくんの健気さもディオネちゃんの洞察力も、どちらもそれぞれの魅力ですね。

「急に起こった出来事に対し、目の前のことしか考えられなくなって突っ走るのがおみつで、頭をフル回転させて状況を整理&把握して行動するのがディオネです。おみつは飼い主…というより“私”に忠実で、いつも私の側にそっといてくれるような子です。夫と少し言い合いをした時などは、すぐに私の方に飛んで来て、夫をやっつけようとしてくれることもしょっちゅうです(笑)。ディオネは繊細で警戒心が強く怖がりですが、愛情深く、家族の絆を何よりも大切にしてくれます。また、感情表現も上手なので、人間の言葉は話せませんが、ディオネと接していると会話をしているような感覚になります。

ディオネとおみつの上下関係はハッキリしています。おみつが完全に上の立場で、ディオネはおみつに決して逆らいません。2匹の関係性については、飼い主は口出ししておらず、彼らが作りあげたものです。おみつがか弱いことをディオネはしっかりと理解しているので、常におみつを見守っているような感じです。ディオネはおみつのことが好きで好きでどうしようもないのですが、おみつは比較的あっさりしているので、ディオネの猛烈な愛を受け流しているように見えます(笑)」

■商品にならなかった「元保護犬」→愛おしい忠犬に

大好きな飼い主さんを助けようと必死だったおみつくんは、生後4ヶ月の時、L I S Aさんご夫妻がたまたま訪れたペットショップで「里親募集」の紙を貼られて陳列されていた、元保護犬なのだそうです。

「生まれつき膝蓋骨脱臼(パテラ)の症状を患っており、要は、商品として売れないため里親募集の対象になっていました。今後歩けなくなる可能性もあると店員さんに言われました。夫の希望でショーケースから出してもらったところ、喜んで喜んで、ものすごくはしゃいでいました。私が着ていたフワフワの羽織物をカミカミしていたのを今でも覚えています。そして、再びケースに戻ったおみつは本当に悲しそうな顔をして、奥の方に座ってこっちを見ていました。おそらく、何度もそういう落胆を経験していたんだと思います。

その後、悩むことなく引き取ることにしました。初めて抱っこした瞬間から『家族』でした。どんなことがあってもこの子を幸せに出来るし、歩けなくなってもそれなりの生活を送らせてあげられるし、そうならないように最善の努力もしてあげられる、という自信しかなかったです。実は私は元動物病院勤務のスタッフで、少しだけ犬に関しての知識があったので、経験を活かすことも出来ると思ったんです。引き取ったおみつは翌日からもう、私の足に絡みついて寝るような子でした。今でも変わらず毎日隣で寝ており、24時間365日同じ空気を吸っています」(L I S Aさん)

■おみつくんの特技は「石で描く絵」

そんなおみつくんには実は、「石で絵のようなものを描く」という、すごい特技があります。

「1歳になる前くらいから、おみつにはお散歩中に見つけた好みの石や松ぼっくりを家に持ち帰るという癖がありました。そのうち石を前足で転がすようになり、それがレベルアップして、石を力強く押したり引き寄せたりして、地面にお絵描きするような行動になっていきました。普段はフニャフニャしたよくわからない絵のようなものが出来上がりますが、魔法陣のような円状の仕上がりになったり、昨年の秋に砂浜に行った際は、さくらんぼやバイクのような(?)お絵描きをしていました」(L I S Aさん)

L I S Aさんご夫妻の愛情に包まれて、アートな才能も発揮しているおみつくん。ディオネちゃんと共に、これからも伸び伸びと楽しい姿をたくさん見せてくださいね。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

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