雨どい外れ、壁紙はがれ、給湯器故障 2500万円の中古戸建ては「安かろう悪かろう」40代女性の後悔
みなさんは家を購入する時はどういったところを重視しますか? 住宅の性能なのか、立地なのか。もしくはデザイン性なのか。人それぞれ変わってくると思います。その中でも「金額」は多くの人が気にせざるならないところ。しかし金額が安いという理由だけで購入すると、いろいろ後悔してしまうことがあるようです。
■中古戸建ての金額に驚いて
Yさん(40代女性、関西在住、スーパーのパート勤務)は夫(40代、車整備士)と子ども(高校1年生)と賃貸アパートに3人で暮らしていました。
住んでいる賃貸は子どもが産まれた時に、少し広めの部屋が良いと思い引っ越して以来、10年以上ずっと住んでいます。金銭的に余裕がなく、戸建ての購入などただの憧れ…と思っていたYさんですが、ある日テレビで中古戸建てをリフォームして綺麗にするという番組を見ました。
「古い家がここまで綺麗になるんだ」と、感心しながらみていましたが、一番驚いたのは金額でした。新築戸建ては最低でも4000万円はかかるものだとは思っていたのですが、リフォーム済みの中古戸建てを購入するのであれば3000万円ほどで済む場合が多いようです。
その番組を見てから、自分の住んでいるエリアでも、中古戸建てをリフォームした家がないか探すようになりました。
■築20年ほどのお値打ち物件
そのうち、築20年ほどでリフォーム済みの中古戸建てが2500万円と、お値打ちに見える物件を見つけました。早速内覧に行くと、扉などは当時のまま古かったものの、クロスやフローリングは張り替えていて綺麗になっていました。
水回りは交換されているので問題はなく、あまり内装にこだわりがないYさんには十分だと思いました。
安い理由について、営業担当者は「間取りなど変更せずに、最低限のリフォームで済ましているから」と説明していました。住んでから5年間は、リフォームに不備があれば修繕するとも言われました。少し悩みましたが、金額がとても安かったので購入することに決めました。
■安いからといってあまり納得できない状況に
安い家を購入したのである程度覚悟していましたが、引っ越してから3年くらいの間に、家の不備を何度も経験しました。
一つ目は、リフォームの施工がいまいちだったということです。クロスがすぐに剥がれてきたり、雨どいが外れたりして大騒ぎになったりしました。業者を呼べば無料で対応してくれるものの、あまり動きが良くないので、いまだに修繕の業者が出入りしている状況です。
二つ目は、一年ほど経ったころに、給湯器が壊れてしまったことです。給湯器が壊れた時にすぐ購入元に連絡しましたが、「給湯器は交換していないので保証の対象外」だと言われました。そのため、実費で20万円ほどかけて交換してもらいました。
ほかにも細かい修理は多くあり、安いからといってあまり納得できないという状況ではあります。「安かろう悪かろうとはこのことなんだなと感じてしまって」と話すYさん。物件選びは慎重に行うべきだったと後悔しているようです。
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このような購入後のトラブルはよくある事なのでしょうか? アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介も担当している川本麻登さんに聞きました。
■どれだけ家のメンテナンスがされてきたか聞いて
ーーリフォームの施工が悪いということはよくあるのでしょうか?
業者によっては悪いというのはよく聞きますね。一方で、金額が安いから適当にしている業者が多いというわけではないのでYさんは少し運が悪かったかもしれませんね。
ーー中古戸建てを購入するときの注意点はどういったところでしょうか?
中古戸建てはマンションと違って修繕積立金を集めて、管理会社によって修繕されていくわけではありません。購入するときは部屋の内装よりも、家の持ち主が「どれだけ家のメンテナンスをしてきたか」などについてヒアリングするようにしましょう。
また、設備機器は中古戸建ては交換されていなければ、壊れたら自分で交換するしかありません。給湯器などがどのくらい交換されてないかなども聞いておくと良いかもしれませんね。
◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーター
(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)