「家庭で飼うような犬じゃない?」脱走し12人をかんだ四国犬の報道に嘆く愛犬家「特定の犬種を否定しないで!」

「四国犬は家庭で飼うような犬じゃないだと?

躾が出来てなきゃ犬種問わず噛みつく可能性はあるんだよ。

特定の犬種を否定するような報道するな!」

今月7日に群馬県伊勢崎市内の公園で小学生を含む12人をかむといった事態が起き、注目を集めた四国犬。各メディアの報道について「特定犬種を否定しないで」と愛犬家がSNSに“思い”を投稿、話題になりました。

愛犬家によると、テレビの報道番組で動物に関する専門家が四国犬について「猟犬」だとし、「日本の犬の中でも特にかむ方です。狩猟に使う犬なので、家族でペットにするような感じの犬ではありません」などと説明したとのこと。自身も四国犬と同じ天然記念物の指定を受けている中型犬の甲斐犬を飼っており、報道を聞いて「どの犬もしつけができていないと犬種問わずかみつく。四国犬が悪者のように扱われている」と心を痛めたといいます。そんな投稿にさまざまな意見が相次ぎました。

■「犬の行動は躾や環境によって大きく影響されます」「犬の知識のない一般家庭で飼っちゃいけない犬種はある」

「うちも昔四国犬がいましたがこの報道は???です。四国犬が悪いわけじゃないのに!」

「確かに、特定の犬種を否定するような報道は避けるべきです。犬の行動は躾や環境によって大きく影響されます」

「どんな犬種でも…ってのは間違いでは無いけど、犬種によって飼育の難易度やスイッチが入った際の危険度が異なるのも事実でしょ」

「やっぱり『ちゃんとした飼育環境を保てない、犬の知識のない』一般家庭で飼っちゃいけない犬種はある」

「私の経験上ですが、中~大型犬の飼い主さんはしっかり躾して、人に気安く近づけないようにしている飼い主さんが多いです。

 私が唯一襲われたのは、家から脱走してきたMダックスでした。小さいけど怖かったです。飼い主からの謝罪はありませんでした」

四国犬を巡る一連の報道について、愛犬家の“思い”や“願い”を聞きました。

■「四国犬は他犬に比べてかむ?」テレビの報道に疑問

──今回、四国犬について語る専門家の話を投稿しようと思ったのは?

「朝の通勤途中、車載テレビで専門家の話を聞きました。四国犬は他犬に比べてかむ、家庭でペットとして飼うような犬種ではないなどの内容だったんです。専門家の方にお聞きしました、との内容でしたので、『特定の犬種を否定するような報道は良くない』と思って投稿した次第です」

──12人を襲った犬は「庭から逃げ出した」とか。また飼い主が狂犬病の予防接種を受けさせていなかったとの報道もあります。

「まさに飼い主の責任以外に語ることはありません。飼い主は飼う犬の特性、運動能力、個体による性格の違いなどをよく理解、勉強した上で飼育。また狂犬病やワクチン接種も当然です。当該事故の飼い主については飼う資格は皆無であると思います」

■犬種問わずかみつく犬はかむ、細心の注意を払うのが飼い主の責務

──一般社団法人「ジャパンケンネルクラブ」(JKC)のホームページによると、四国犬は性格は猟欲が旺盛で主人には従順とのこと。獣猟犬として飼育されていましたが、今は家庭犬としても飼われていると紹介されていました。

「そうです。私の住まいの周りには四国犬を普通にペットとして飼われているご家庭が3軒ありますから非常に不快でした。この事故の報道に関して事実を報道されることに異論はありませんが、ただこれが四国犬でなく仮にチワワが同じことをしたら今回のような特定の犬種を否定するような報道をするの?とは感じますが。

専門家が家庭で飼うような犬種ではない、繁殖や猟犬として飼う人が多いなどと断定する内容を報道するマスコミは無責任だと強く感じます。これにより四国犬に対する間違った認識、四国犬を飼う方々への偏見が生じることが予測されます。マスコミの報道は暴力にもなることを認識すべきです」

──甲斐犬も主として猪や鹿狩りなど狩猟犬として飼育されていたそうですが、今は家庭犬として飼われている方もいるとのこと。

「はい。私は柴犬を2頭飼ってから甲斐犬を飼いました。気性は柴犬の方がはるかに荒いと感じます。かみ付くときは突然かみつくことも。確かに甲斐犬の特に雄は、飼い主以外には懐かない傾向が強く、散歩していても飼い主を守ろうとします。知らない人に話しかけられたり、近くを子供が走り回ったりすると威嚇することもあります。他犬に威嚇することもありますがこれは全ての犬に対してではないので、犬同士の相性かと思います。もちろん散歩中、飼い主の責務として細心の注意を払っております。決して飼うのが難しい犬種ではありません。やはり飼い主なんです。犬を知って勉強しない人はどんな犬種であっても犬を飼うべきではありません。小型の愛玩犬であっても同じなんです」

──最後に愛犬家としての願いを。

「今回のようなある一定の犬種を否定するような報道に対する苦言をSNSに投稿すると、一部の方々から攻撃的なコメントや脅迫的なコメントが寄せられます。また私以外の甲斐犬、四国犬の飼い主さんへも攻撃的なコメントが送られていると感じます。私たちの大切な家族を守りたいだけです。とにかく特定の犬種を否定するような報道は止めてほしく思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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