体を触らせてくれない保護猫 被毛がもつれ固まりがあちこちに サポート会社が実施した優しいブラッシング術とは
関西圏を中心に野良猫・保護猫などのあらゆるサポートを行う会社「ねこから目線。」にはさまざまな依頼が舞い込みますが、2023年秋には「体を触らせてくれない保護猫さんの爪切りと背中にあるもつれをとってほしい」という珍しい相談が持ちかけられました。
「体を触らせてくれない」とは気になりますが、これまで多くの猫の世話をしてきた「ねこから目線。」です。もちろん快諾し、依頼主さんの元へと駆けつけました。
■保護猫さんをそっと洗濯ネットに入れ作業開始!
この保護猫を見ると、確かに背中の毛がもつれあっています。また、首の後あたりと腰のほうにも毛の固まりがありました。猫は自ら熱心に毛繕いするほど、被毛に敏感です。きっとこの保護猫自身もさぞ気持ち悪い思いをしていることでしょう。
「ねこから目線。」のスタッフはケージの中で過ごしている保護猫にそっと近寄り洗濯用のネットへ入れることにしました。暴れるすることも想定していましたが、意外にもおとなしかったため、スタッフはまず爪切りを実施しました。
続いて、背中にある毛のもつれ、そして首と腰の毛の固まりをほぐしていくことにしました。首と腰の毛の固まりは見た目以上に柔らかく、ブラシをかけるだけで簡単にほどけました。しかし、問題は背中の毛のもつれでした。
■シャンプータオルで、もつれた部分を揉みほぐす
スタッフはトリートメント入りのシャンプータオルで、もつれ部分をゆっくり揉んでいきます。ここで嫌がられると、ブラッシングまでたどり着けないので、保護猫の反応をうかがいながら慎重に作業を進めていきました。
ここまでに保護猫が暴れることなく、相変わらずおとなしくしてくれています。ある程度、シャンプータオルでの揉み込みが済んだところで、いざブラッシングを実施しました。もつれた被毛をひっぱりすぎると、保護猫が怒り出す可能性もあります。できるだけ優しく丁寧にブラッシング。結果的に想像よりもはるかにスムーズにもつれをほどくことができました。
ブラッシング後、皮膚の状態も確認しましたが、赤みや傷はなく、保護猫の体に傷をつけずにもつれや固まりを取り除くことができました。スタッフは最後までじっと我慢してくれた保護猫に「ありがとうね!」と伝えました。適切なブラッシングに依頼主さんは感心。「これできっとスッキリして過ごしてくれるはず」と喜びました。
■猫の飼い主にとってブラッシングはお世話の一つ
生まれてばかりの子猫の頃から、ブラッシングなどを実施していれば成猫になってもおとなしくできる場合が多いものです。しかし、そういった経験がないまま成猫になり、なんらかの事情で保護された場合、今回のようにブラッシングどころか体にさえ触れさせてくれないことも少なくありません。
一般に猫は年に2回、換毛期があると言われており、抜け毛や毛玉をそのまま放置しておけば、猫自らが毛繕いをしている際に、こういった抜け毛を飲み込んでしまう危険もあります。トイレやエサやり以外は、特に手がかからないと思われがちな猫ですが、実はブラッシングをすることも飼い主にとって欠かせない世話のひとつです。定期的なブラッシングで抜け毛の状態を確認できるほか、健康状態のチェックにも役立ちます。
紹介した実例を参考に、飼い猫のブラッシングに役立ててみてはいかがでしょうか。「うまくできない」という場合は、この依頼主さんのように「ねこから目線。」に相談するのも良いかもしれません。
ねこから目線。
https://nekokaramesen.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)