「良い学区」と信じて買ったマンション…突然届いた「学区変更のお知らせ」に驚愕 売却価格にも影響するのに…

「人気の小学校区」「〇〇中学の学区・お問合せ多数!」…。物件情報を眺めていると、ファミリー向けマンションや分譲戸建てのPR文章に「学区」について記載をよく見かけますよね。

「小学校まで徒歩5分!」とかであれば「通学が安心」なことなのかな…などとイメージしやすいですが、「人気の小学校区」とはどういうことでしょうか? 公立学校なのに「人気」や「不人気」があるの?…と疑問に思ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな「校区/学区」とマンション選びの関係について、思ってもみなかったトラブルに巻き込まれた方の話を聞きました。

■「良い学区」と信じて買ったのに

Aさん(関西在住、40代、フリーランス)一家がマンションを購入したのは、長女が幼稚園、長男が生まれたばかりのころでした。Aさんには姉が2人いますが、どちらも子どもに中学受験をさせていました。Aさんも同じように子どもには中学受験を考えていたため、マンション選びの優先事項として「教育熱心=中学受験率が高いとされている小学校区」にこだわりました。

当時住んでいた賃貸住宅の近くにあった小学校は、中学受験率が低いことを偶然知りました。そのなかで子どもが放課後の遊びを断りながら塾に通うのは大変そうです。中学受験を意識しているママ友から情報収集をした際も、受験することに担任の先生の理解が得にくかったり、受験前の感染症対策にも学校と家庭で温度差を感じたりするとも聞きました。

そして、「〇〇小は隔年で荒れる年になるって聞く」「△△小はPTAの参加率や運動会のマナーも悪いみたい」などなど…小学校によってまったく評判が違うことも知り、ますます次に住むのは「いい学校区にしておかないと」という気持ちが固くなったAさん一家。

その後、人気の小学校区で大手分譲会社が建てたマンションの一室を抽選で勝ち取りました。そして、大満足で、子どもたちの進学を迎えるはずだったのですが…。

■突然届いた学区変更のお知らせ

入居から1年がたち、Aさん一家は幼稚園を通じて一通のお知らせを受け取ります。

「〇〇地域 小学校区変更予定のお知らせ」

…なんと、Aさんの住み地域で、児童数が減っていることから、小学校区が再編されることに。そのあおりを受け、Aさんの住まいは、人気とは言えない隣の学校区へ変更になるという通知でした。

校区変更の予定は3年後。現在年中さんの長女は、入学して2年経ったら隣の小学校へ転校になりますが、「希望すれば入学時から、隣の小学校にはじめから入学ができる」という案内に、Aさんは愕然…。

「この小学校に通学させたい!と思ってこのマンションに決めたのに、話が違うと思いました。調べてみたら、結構学校区の変更ってあるんですね…。公務員の知り合いに聞いたら、学区変更は数年前から検討されているから、気になるなら教育委員会に『学区変更の予定・可能性はありませんか』って確認するのがいいよ、と言われました。もうちょっと早く知りたかった…」

■同じアドレスでも学区が違うと…売却価格に数百万~の違いも

希望通りの小学校に子どもが通えなくなってしまったAさんですが、実は学区変更は不動産の価値に大きな影響をもたらします。売却のしやすさ、売却価格、そして賃貸に出した場合の賃料の差に直結するのです。

1本の道を挟んで、人気の小学校区に建つマンションと、荒れていると言われる小学校区に建つマンションが並んでいることがありますが、ほぼ同じ築年数・広さ・設備にもかかわらず、賃料が2~3万円違ったりすることも。売却価格に数百万以上の差が出ることがあります。

「ウチは小さな子どもはいないから、小学校や中学校がどこになるかなんて関係ない」と思っている方も、将来の「資産価値」が大きく変わる可能性があることは想定しておくほうがよさそうです。

(まいどなニュース特約・中瀬 えみ)

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