企業の災害対策…必要なのに「足りていない備蓄品」は? 担当者の悩み「賞味期限や使用期限の管理が面倒」「管理にコストがかかる」
2024年1月に起きた能登半島地震によって、改めて備蓄品の大切さを再認識した人も多いのではないでしょうか。心幸ホールディングス株式会社(兵庫県尼崎市)が、このほど発表した「企業の備蓄に関する実態調査」の結果によると、9割以上の人が「企業においても備蓄の重要性は高まっている」と回答しました。その一方で、現在自社で足りていないと思う備蓄品については「簡易トイレ」が最多となったそうです。
調査は、会社の非常食の備蓄管理を行っている全国の総務担当者110人を対象として、2024年1月にインターネットで実施されました。
調査の結果、全体の92.7%が「企業においても、備蓄の重要性は高まっている」と回答。「備蓄の重要性は高まっている」と答えた102人にその理由を複数回答可で答えてもらったところ、「いつ災害が起きてもおかしくないから」(86.1%)や「従業員が安心して働ける環境が重視されているから」(48.0%)が上位に挙げられました。
そのほか、自由回答では「東日本震災の際に備蓄品がありとても助かった。今回の能登地震で改めて備蓄品の大切さを再認識した」「国や自治体からの物質提供までは時間がかかるから」といった意見も聞かれました。
続けて、全回答者に「自社の備蓄品について、十分に従業員に周知できていますか」と質問したところ、「全くできていない」が1.8%、「あまりできていない」が30.0%という結果になりました。
また、備蓄品の管理を行うにあたって、全体の72.3%が「悩みがある」と回答。そこで、悩みがある80人に具体的な悩みを複数回答で答えてもらったところ、「賞味期限や使用期限の管理が面倒」(68.8%)、「備蓄品の量がわからない」(43.8%)、「管理に余計なコストがかかる」(42.5%)といった回答が上位に挙げられました。
さらに、「自社で備蓄している備蓄の種類」を複数回答で答えてもらったところ、「飲料水」(90.0%)が最多となったほか、「非常食」(80.9%)、「簡易トイレ」(60.9%)なども上位に挙げられました。
ちなみに、「備蓄している具体的な非常食」については、「カンパン」(71.9%)、「レトルト食品」(65.2%)、「アルファ米」(61.7%)、「缶詰」(56.2%)などが挙げられています。
他方、「現在、自社で足りていないと思う備蓄品」についても複数回答で教えてもらったところ、「簡易トイレ」(40.0%)、「医薬品」(27.3%)、「生理用品」(26.4%)といった回答が上位に並びました。
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調査を実施した同社は、「非常食の賞味期限の管理については、頭を抱える総務も多いことから、普段から食べている食品を古いものから消費し、新しいものを買い足していく『ローリングストック』を取り入れることで、備蓄品の『期限切れ』を防ぎながら、災害時になって備蓄食料が口に合わなかったり、作り方が分からないと戸惑うことも防げるのではないでしょうか」と述べています。
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【出典】
▽心幸ホールディングス株式会社