家を飛び出し迷子になった愛猫 連日深夜まで探し続けた飼い主は心身が限界に 1カ月後頼みの綱としたのは
2023年夏、1匹の猫が家から逃げ出しました。名前はポロン。避妊済のメスですが、シャイで怖がりな性格といいます。
飼い主は当初、自力で捕獲器とカメラを設置し、捕獲を試みましたが、うまくいきません。いなくなって約1カ月。「専門家に頼んだほうが良いだろう」と野良猫や保護猫にまつわるあらゆるサポートを続ける会社「ねこから目線。」に相談しました。
■カメラに何度も映り込み、すぐ近くにいる予感
依頼を受けた「ねこから目線。」スタッフは現場に向かい、飼い主からヒアリングした後、近所を見て回りました。大きな家ばかりで隠れる場所だらけです。約1カ月という長期間で隠れる拠点を変えたとしても、遠くには移動していないことが考えられました。
飼い主さんが設置したカメラにも何回か映り込んだことがあるようで、近くにいることを予感させました。この日、スタッフは近隣でポロンさんが姿を見せそうな場所を8カ所に絞り込み、各所にカメラを設置し様子を見ることにしました。その翌朝に家の北30メートルのカメラにポロンの姿が映り込みました。喜ぶ飼い主とスタッフでしたが、しかし2日目には映りませんでした。
となると、隠れ場所の見込みが違っている可能性があり、別のポイントにカメラを設置。すると、3日目の夜には、このポイントで映り込みました。しかも、何度も行き来する様子です。このポイント近くを隠れ場所にしている可能性が高いことが考えられました。
■7日間に及ぶ苦戦を経て見事ポロンさんを保護
スタッフはこのポイント近くにエサを入れた捕獲器を設置。すると4日目にポロンが捕獲器に入ったものの、踏板を器用に避け、エサだけを取って逃げてしまいました。肩を落とす飼い主とスタッフでしたが、さらに5日目には野良猫2匹が捕獲器に入ってしまいました。この2匹にはTNRを実施するため、動物病院へ連れていき、あらためて捕獲器の種類を「警戒心の強い猫さん用」に変更しました。
7日目の深夜、ポロンが捕獲器に入り無事保護することができました。
■飼い主の根気強い対応が成功理由の一つ
飼い主は自力で捜索をしている1カ月間、深夜1時までカメラ設置と捜索に回り、早朝5時にカメラをチェックするという過酷な日々を過ごしたそうです。心身ともにギリギリの状態でも、諦めずに探し続けたことがポロンを保護できた理由の一つとスタッフは言います。
「ねこから目線。」は5000匹以上の捕獲実績があり、捕獲成功率は83.85%(2023年7月末時点)。これだけの経験値の高さにあっても、今回の捕獲劇は特に長くて濃いものだったとのこと。その労がねぎらわれるのは、飼い主さんからのたっぷりの愛情を受け、自宅に戻りのんびり過ごすポロンさんの姿でした。
これからは逃げ出したりせずに、優しい飼い主さんのもとでいつまでも幸せに過ごしてほしいと願うスタッフでした。
ねこから目線。
https://nekokaramesen.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)